ちいさなねずみが映画を語る

すきなものを好きなだけ、観たものを観ただけ—

ダンサー森山未來の初監督作品とチャウシェスク政権末期のサスペンス - ブリリア配信作品

ブリリア・ショートショートオンラインから年末最後のメーリス配信があったので、気になる作品を2本観た。前の記事でも特集したが、会員登録だけで無料で観られる短編映画配信サイトだ。背景が短編映画祭なので、なかなかいい作品、骨のある作品を常に配信している。

mice-cinemanami.hatenablog.com

 

 

今の日本では珍しいかもしれない、コンテンポラリーダンス作品

1本目は "DELIVERY HEALTH" (英題は "DELIVERY HEALTH (the escort)"、2019年)。俳優・ダンサーとして活躍する森山未來の初監督作品である。相手役として同じくダンサーとしても活躍する石橋静河が出演している。

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あらすじは簡単だ。パートナー*1不在の間デリヘル嬢として働く女性(演:石橋静河)。依頼を受けて部屋に向かうと、依頼主は地方で仕事をしているはずのパートナー・森山未來(演:森山未來)*2だった。その後ふたりの攻防がダンスを通じて表現される……というわけだ(これ以上は完全なネタバレになるので喋らない)。

 

ミュージカルかといえばそうでもない

この作品は女性がタクシーに乗りながら聞いている印象的な曲から始まる。単なるガヤではなさそうなチューニングなのだが、よくよく聞いていると主人公ふたりの関係をなぞっていて、中盤ではふたりの歌がこの曲に重なってくる。音楽を担当したのは岩崎太整だが、ちょっとアンニュイでジャジーな感じは彼のお得意だなと思った。いかにもラジオから流れてきそうで、ちょっと古そうな曲なのに、そんな曲はどこにもない。まさに岩崎の得意どころである(ちなみに岩崎はカノ嘘であるとか『奥田民生になりたいボーイ〜』などの音楽を担当している)。

カノジョは嘘を愛しすぎてる

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しかしながら、この作品がミュージカルなのかと問われると、そこは少し疑問符だと思う。確かに主人公たちはテーマソングに載せて思いの丈を表現するが、主眼はむしろ森山と石橋によるダンスの方にあるのではないだろうか。思えば森山はダンサーとして文化庁文化交流使の肩書きでイスラエル修行してきた人物であり、彼にとって踊りが主眼になるのは当然のことだろう。

www.oricon.co.jp

www.nhk.or.jp - このドキュメンタリーの音楽が岩崎なのか……

 

思えば日本の映画界において、こういったコンテンポラリーダンスを軸にした作品はあまり出て来なかったように思う。勿論舞台で舞踏を追い求めている麿赤兒のような存在はいるが、それは飽くまで舞台である。またミュージックビデオでもなく、短編映画という枠組みで、日本からこういった作品が出て来たことは嬉しくも思った。

 

"DELIVERY HEALTH" はブリリアの年末年始特別配信作品。通常と異なり、来年2021年1月7日に配信終了してしまうのでお早めに。20分17秒。

 

温かなひとときが恐怖の瞬間に

続いて観たのは配信開始されたばかりの『独裁者とクリスマスプレゼント』"Cadoul de Crăciun"*3。1989年のクリスマスを迎えたルーマニアを舞台にした作品だ。サンタクロース宛に息子が書いた手紙には、父親の望みとして独裁者の死が書かれていた。息子が住所を書いて手紙を投函したと分かり、家族団らんの時間はサスペンスに豹変する。ここからスタッフロールに至るまで張り詰めた空気が1度も途切れない、観ていてとても辛い作品だった。

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【ネタバレ】必要な前提知識

この作品を観るためにはひとつ前提知識が必要だ。ルーマニアは1960年代半ばから、ニコラエ・チャウシェスクが一貫して率いていた独裁国家だった。ソ連の息が掛かった共産制の独裁国家にありがちな展開として、人々は秘密警察への密告を恐れ、反体制的な言葉も身内で隠れてこそこそと話していたのである。好きなのでいつも引き合いに出してしまうが、まさに『グッバイ、レーニン!』で描かれた姿だ。体制崩壊前夜の東側はどこも同じ状況だったのだなと思わされる。

グッバイ、レーニン! (字幕版)

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  • 発売日: 2013/12/25
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※この先には作品のネタバレがあります※

息子が書いた「ニック」という名前はまさにチャウシェスクファーストネームだ。当然検閲もあるだろうし、住所も名前も書いて投函したというのなら、父親が収容所に連れて行かれるのは間違いない。だからこそクリスマスの団欒は一気にサスペンスになるのである。

しかしながら、ラストシーンはどこか明るいものだ。それもそのはず、チャウシェスク政権は1989年のまさにクリスマスに崩壊し、チャウシェスクは妻共々この年の12月25日に処刑されている。政権の崩壊は、これを望んでいた国民にとってはまたとないクリスマスプレゼントになった。そういった事柄を、サンタクロースに手紙を書くいたいけな子供の姿を通じて描いているのである。

 

Bogdan Mureșanu監督作品、2018年。配信は来年3月22日まで。

 

おしまい

ということで今回はここまで。簡単な会員登録だけで良作が沢山観られるので是非ご登録を。今年も沢山いい映画を観ました。皆様どうかよいお年を。

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関連:短編映画 / ブリリア・ショートショートオンライン / 森山未來 / 石橋静河

*1:色々話はしているのだが、夫婦なのかステディなのかはよく分からないし、話の本筋にも必要ではないので、ここでは敢えて濁しておく

*2:女性側の歌の中に名前を呼ぶシーンがあって、森山側も「本名言うなよ」と返しているので、役名も森山未來である

*3:英題は "The Christmas Gift"

【お問い合わせ】他者ツイートの貼付について

ブログに設置しているお問い合わせフォームにご意見をいただきました。掲載拒否とありましたが、その内容について重大なものと捉えましたので、概要と筆者の考えを明らかにしたいと思います。

 

なお当ブログへのご意見・ご感想はこちらのページからお寄せいただきます。ブログ内容の改善だけでなく、ちょっとしたご感想でも喜びますので宜しくお願い致します。

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タイトルにもあります通り、お寄せいただいたご意見は、他者のツイートを無断でブログに貼り付けないでほしい、というものでした。(掲載拒否でしたのでその後の細かい文面は割愛します)。

 

 

筆者の考え

海外記事の紹介の場合

いわゆるカルチャーと呼ばれるジャンルに関して、筆者はTwitterから多くの情報を得ております。洋画関連サイトの新着記事通知、日本に先駆け海外で公開された映画のレビュー記事、また定額配信サイトでの配信情報、ディスクのリリース情報など、挙げればきりがないほどです。(Twitterがそれだけ情報の集まってくるSNSだということでしょう)。

そういった中でタイムリーな映画を観てくると、当然ながら自分のタイムラインにも関連した情報が多く流れていることになります。外国語が堪能で、海外の記事の一部を訳して紹介されている方もいます。また、公開当時予定が合わずに観られなかった作品でも、関連情報のみ目にしていて、後で「そう言えばあんな話があったよな」と思い出すこともあります。

 

さて、その上で映画の紹介記事を書こうと思った時、1番困るのは出典の問題です。こんな賞賛/批判があったんです、あのシーンは実はこういう意味なんだよ、と書くのは簡単ですが、他の人から「教えてもらった」情報をなんにも明記せずに書いておくのは(というよりさも自分の話のように書いておくのは)、著作権上の問題があります。Wikipediaさんにも同じようなことが書いてあります(Wikipedia:出典を明記する)。

特に海外の記事などは、自分でレビューを探していて見つけ当てることもありますが、Twitterなどで思いがけなく紹介されていて、その紹介の仕方が面白くて記憶に残っている、というものもあります。そういった記事に関して、自分で見つけたわけでもないのに、面白いと思った記事の内容だけ紹介するというのは、元々紹介してくださった方に失礼なのではないか、と思って、元のツイートごと貼付をしていました。幸いなことに、か、不幸なことに、か分かりませんが、はてなはツイートの埋め込みがしやすいUIになっており、まるっと埋め込んだ方が引用としての主従が分かりやすい、また引用部分が明記できるとの事情もあったため、埋め込みを頻用していました。

www.asobou.co.jp

しかしながら、(筆者が紹介主に申し訳無く思ったとしても)、元の記事の記述を引かずに翻訳紹介を持ってくることは外面上孫引きにほかならず(勿論紹介する前に元記事の記述は確認していますが)、個人利用の範囲とはいえ、他言語での記載の翻訳には翻訳権や著作権の問題がついて回る*1ということを蔑ろにしていたような気がします。

 

界隈でよく言われることの場合

もうひとつがこれです。全然公式じゃないけれど、特定の界隈ではよく言われる、だけど自分の言じゃない、というあれです。ネットミームまでいかないけれど、でもこの界隈ではよく言われている……こういうのをいざ書こうと思うと、当然ながら作品のウェブサイトや映画サイトの宣伝記事には載っていないので、一般の方の記載を引いてくることになります。例えば濡れシャツダーシーさんとかあまりに有名ですが、でもこういうのは公式で絶対出て来ません。

こういったものに自分で気付いた場合は普通に記事を書けますが、誰かが指摘していて「ほうなるほど!」と思った場合、やっぱり引用なり「こういうご指摘が」という形なりで、元の記述を紹介すると思います。また、言い得て妙過ぎてミームとして一人歩きしているものを、探し出してきて引用ということもしていると思います。

 

もうひとつあり得るのが宣伝とかそういう立場が絡むと書けないことです。作品とか記述の仕方に対する批判とか賞賛とか。映画関連の記事が炎上したりして、そういうものへの意見が溢れている時もあります。そういう時に、「自分だけが言ってるんじゃないんだな」という意味で、他の方の意見を引いてきたり、というのもあり得るでしょう(現にこのブログで探せば見つかると思います)。

 

様々なスタンスの方が

その上で冒頭のご指摘に戻ります。日本だけでも多くの利用者がいるTwitterなので、その使い方には様々なスタンスがあると思います。まとめサイトに使われるのはNGという方とか。自分の管理できないところで使われるのはNGという方とか。引用リツイート絶対駄目という方とか。リプライする前にはフォローして名乗らないと駄目だという方とか。使われるのはよいけれど許可とか報告はくださいという方とか。逆にどうしていただいても構いませんよ、という方もいるとは思います。それだけ多くの方が使われているので。

 

拙ブログでは、(元投稿に対して)悪意ある引用は控えるように、など、自身で一定のルールを作って引用/紹介を行っています。しかしながら、今回のご指摘を受けて、自分の手の届かないところで自分の投稿が使われることに嫌悪感を抱く方もいらっしゃるのだな、ということを改めて実感致しました。今後は一般の方のツイートに関してこういった利用を出来るだけ控え、節度ある利用を心掛けたいと存じます

 

なお、はてなの仕様上可能なツイートの埋め込みに関しましては、文化庁が示す「著作物が自由に使える場合」の以下の記述に該当するものと考えておりました。先述の通り、埋め込みでは「自分の著作物と引用部分とが区別」されますし、「自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確」になります。また、当ブログでまとめサイトのような行為(他人のツイートをまとめるだけで構成された記事を作ること)は行っておらず、常に自分で作った流れの補強となるよう心掛けてきましたので、主従関係の問題についてはクリアするものと思います。また、Twitterサービス利用規約には「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」として、ツイートの埋め込み・引用などを前提とした条項があり(下記)*2、記事での利用はこの範囲内であると考えていました*3

「【引用(第32条)】[1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。(注5)」[後略]

 

(注5)引用における注意事項

 他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。

(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)」

——文化庁、「著作物が自由に使える場合」、2020年12月20日閲覧

 

(前略)「ユーザーは、このライセンスには、Twitterが、コンテンツ利用に関する当社の条件に従うことを前提に、本サービスを提供、宣伝および向上させるための権利ならびに本サービスに対しまたは本サービスを介して送信されたコンテンツを他の媒体やサービスで配給、放送、配信、リツイート、プロモーションまたは公表することを目的として、その他の企業、組織または個人に提供する権利が含まれていることに同意するものとします。」(後略)

——Twitter、『ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾』「Twitterサービス利用規約」、2020年12月20日閲覧

 

しかしながら、本音と建前は得てして異なるものであり、プロフィールに二次利用拒否などを明示していなくても、そういった行為を好まない方はいらっしゃいます。企業や作品などの公式アカウント、また報道機関などの公的なものを除き、自重した方がお互いの幸せになるのではと考えました。

 

過去の記事について

ご指摘いただいた件につきまして、過去の記事を全て修正して回ることも考えました。しかしながら拙ブログは既に160件以上の記事を抱えており、その全てを確認して修正していくのは途方もない作業です。現実生活との兼ね合いを考えると現時点での対応は不可能と考えました

 

先程ご紹介した文化庁のページには、これらの条件の例外事項として、「著作権が制限される場合でも,著作者人格権は制限されないことに注意を要します(第50条)」との記載があります。引用の条件を満たした記載でも、著作者には著作者人格権が残っており(公益社団法人著作権情報センターの記事に詳しいです)、これらの権利の範囲で、自分の著作物の利用許可を覆すことができます。著作権法では「第七章 権利侵害」以降にその権利などが記載されています(著作権法 | e-Gov法令検索)。公表権は未発表の著作物対象ですし、同一性保持権に関してはそのような引用はしておりませんので該当しませんが、名誉声望保持権に関しては、申し立ていただければ行使可能です

kigyobengo.com

ご自身の記述が当ブログで使われている方の中で、当ブログでの利用を望まない方がいらっしゃいましたら、該当する記事と記述について明示の上、当ブログのお問い合わせフォームよりお申し出ください。できるだけ早急に対応致します。

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なお、お申し出のない記事に関しましては、この記事の記載をもちまして免責とさせていただきたく存じます。オプトアウト方式で申し訳ありません。個別の案件には対応いたしますのでお許しください。【追記】対象記事はこの記事以前の全記事、具体的にはブログ開設から2020年12月19日以前の投稿記事全て、と致します。【追記終わり】

これから書く記事に関しては以上のポリシーに則って運用して参ります。時が経って忘れていたらまたご指摘ください。

 

末筆ではございますが

末筆ではございますが、掲載拒否との希望を出されていたにもかかわらず、お問い合わせいただいた内容を公開してしまいましたことお詫び申し上げます。これ以外にもご意見・ご感想などございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡お願い致します。

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about us

※投稿後追記:免責対象となる記事について、日付を明記しました。

*1:自分で見つけて紹介したい記事は沢山ありますが、ブログで全訳をしてしまうと翻訳権の問題があるので(許諾のない翻訳を勝手にすると元の文章の著作権問題になります)、このブログではやらないようにしよう、と決めています。ブライアン・シンガーにまつわる疑惑の記事を途中で打ち切ってしまったのにもそういう事情があります。戸田奈津子と『フルメタル・ジャケット』問題を考えてもらえれば分かると思います

*2:ツイートを埋め込む機能自体はTwitter公式で用意されているもので、利用規約の記述はこれらを想定したものと読み解きました☞

help.twitter.com

*3:翻訳臭い文章で分かりにくいのですが、元の英語を読むと、"on other media and services" とあり、その範囲は一個人にも及ぶと定められています

トランスジェンダーだろうが、わたしはわたし - 映画『ナチュラルウーマン』

年末の特番で "(You Make Me Feel Like) A Natural Woman" が歌われると聞いて(歌うのは平原綾香)、ふとこの曲が流れた1本の映画を思い出した。2017年のチリ映画、ナチュラルウーマン"Una mujer fantástica" だ。チリに初めてのアカデミー外国語映画賞をもたらした本作品は、筆者の中でも大切な作品なのだが、そう言えばこのブログで紹介していなかったので取り上げようと思う。

ナチュラルウーマン(字幕版)

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  • 発売日: 2018/08/07
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  • あらすじ
  • 容赦無く向けられるトランスジェンダーへの偏見
  • 邦題と原題には少し乖離があるが
  • 歌手でもあるベガの澄み切った歌声
  • おしまい

あらすじ

トランスジェンダーの歌手マリーナ(演:ダニエラ・ベガ)*1は、年上の恋人オルランド(演:フランシスコ・レジェス)と恋仲だ。誕生日祝のディナーで、オルランドイグアスの滝への旅を提案するが、彼はそんな矢先に急死してしまう。突然の恋人との別れに戸惑うマリーナだが、トランスジェンダーへの差別として、オルランドの死を巡り様々な偏見をぶつけられる。行きすぎた警察の捜査、葬儀への参列を拒む元妻、心無い言葉をかけるオルランドの息子……マリーナは最愛の人との別れの時を勝ち取るため立ち上がるのだった。

 

!!! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! !!!
※この先には物語の核心に触れる記述があります※

 

容赦無く向けられるトランスジェンダーへの偏見

この作品にはマリーナの味方がほとんどいない。恋人であるオルランドとその弟のガボは彼女の味方だが、この作品はオルランドの死から始まるし、ガボは立場上オルランドの家族に強くは出られない人物だ。そんな中でオルランドが亡くなり、マリーナが支えを失ったところからこの物語は始まる。

 

オルランドの死を巡り、マリーナは徹底的に糾弾される。警察に行けばオルランドの死に彼女が関係しているのではないかと疑われ、興味本位の警察官が捨てたはずの男性名を噂する。女性警官は「自分は味方」という顔をしているが、どう見ても必要とは思えない裸でのマグショットを強要する。オルランドの元妻は、マリーナがオルランドと暮らしていたアパートから荷物を運び出すのを拒否し、葬儀への参列も拒む。オルランドの息子はもっと下世話にマリーナを侮辱してくるし、この作品で彼女は言われなき偏見を常にぶつけられ続けている。

 

こういうことを言うのは失礼なのかもしれないが、マリーナを演じるダニエラ・ベガもトランスジェンダー女性だ。ベガがトランスジェンダーだと自覚したのはティーンの頃だが、その頃のチリは保守的で、トランスジェンダーというものを認めないような土壌だったという。マリーナに向けられる謂われの無い敵意も、ベガに実際向けられたものが含まれているに違いない。実際セバスティアン・レリオ監督とは、製作開始前からトランスジェンダーの現状について語り合い、その中身が脚本にも反映されているように感じると明かしている(HEART & DESIGN for ALL)。

www.news18.com

heart-design.jp

 

邦題と原題には少し乖離があるが

この作品の原題は "Una mujer fantástica" という。英題の "A Fantastic Woman" はその直訳で、つまりは「素晴らしき女 (ひと) 」という意味だ。この作品には様々な女性が出てくるけれど、マリーナほど芯が強くて憧れる女性はいない。愛する人を失ったばかりのところへ、偏見をいくつもいくつもぶつけられながらも、オルランドとの思い出をきちんと「葬る」ためにサンティアゴ中を駆け巡る。悲しみをぐっとこらえて別れに臨むマリーナの姿は凜としている。

ダニエラ・ベガ「一番初めにこの人物の役作りをするときに、ベースとなる3本の柱を自分なりに考えました。それは尊厳、打たれ強さ(粘り強さ)、そして反逆性です。この3つの要素というのは、多くの女性のなかにあるものだと私は思っています。それを基本にして、その上にマリーナの人物像を積み上げていきました」——i-D、2018年2月21日

i-d.vice.com

*1:ベガの名前はあちこちで「ダニエラ・ヴェガ」と書かれているが、スペルこそ "Vega" であるものの、彼女はスペイン語圏の人物なので、その発音は「ベガ」である。何ならベガルタ仙台の「ベガ」と同じだ

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ブログ開設2周年を迎えました

はてなブログからメールが届いたと思ったら、ブログの開設日をお知らせしてくれるメールでした。2018年12月7日にブログを開設して最初の記事を書いたので、今日で丸2年です。この記事が丁度165本目らしいのですが、結構間が空いた気でいて結構書いていたのだなと思います。因みに最初の記事は、当時酷評されていた映画『ボヘミアン・ラプソディ』に関するものでした。あれがああしてああなるなんて……*1

mice-cinemanami.hatenablog.com - 記念すべき初記事

 

 

生々しいおはなし

お陰様でぼちぼちではありますが読者の方も増えていて、ブログの収益も少しずつ増えているなという印象です。酷い時は1週間くらいゼロ円祭りもあったGoogle AdSenseですが、最低でも毎日5円は稼いでくれますし、跳ねれば跳ねたで1日300円くらい突然稼いでいる時もあって、その読めなさにびっくりします(笑)。アクセス解析を見ていると外付けHDDが死にましたという記事へコンスタントにアクセスがあるようです。あれはまじでびびった。壊れたのにも直ったのにも。

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Amazonアフィリエイトの方はAdSenseより余程低調ですが、最低支払額が8千円のAdSenseに対し、500円貯まればお支払いいただけるので、お支払いいただいた回数としては同じくらいかなという印象があります(察して下さい)。たまにアフィリエイトのページを見て、注文入ってると「……よっし!」とガッツポーズしています。ブログで紹介したものが注文履歴に入っていると収益ほっといて嬉しい気持ちになります(たまに「このブログからどうしてそれ買ったの?」と思うものもありますが)。個人的にはもうちょっと伸ばしたいなという気もするのですが、無理強いするものでもないので気長にやろうかと思います。そう言えばAmazonアフィリエイトの収益で『グッド・オーメンズ』を買いました。ありがとうございます。

 

収益の話は色々ありますが、ヒット作を追いかけてぺしぺし記事を書いていくというより、単館系映画館で観たいい作品を是非紹介させてくださいというものだったり、過去の名作を引っ張り出してきて観たので記事を書きますというものだったり、はたまたブリリアのような無料配信サイトでの配信作品を紹介するものだったりなので、どうしても収益化はなかなか難しいという事情があります。それでも、最初から「わたしのすきなものを届けたい、いつか誰かに届いてほしい」というスタンスでやっているので、流行なんて追わなくてもいいんじゃないか、気長にやりましょうと思っています。まあお金入れば嬉しいけど(本音)。

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そう言えばちょこちょこびびし版の『高慢と偏見』を買って下さる方がいらっしゃって素直に嬉しいです。濡れシャツダーシーさんと聡明でつんけんしたエリザベス(演:ジェニファー・イーリー)が最高なので原作と合わせて是非ご覧いただきたいなと思います。筆者も買いました。

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今年を振り返って

元々今年は受験生なのでのんびりやるつもりでしたが、(許すまじ)コロナさんの影響もあって、ほとんど映画館(正確には単館系映画館)に足を運ばない生活が続いてしまいました。いつもなら万難を排してフォーラム仙台とかチネ・ラヴィータに通い詰めるところ、記録を観たら最後に行ったのは1月の『テリー・ギリアムドン・キホーテ』。流石の筆者も素直にびっくりです*2。また今年のオスカーくらいまではロードショーも何とか普通にという感じでしたが、その後のCOVID-19大流行により、今年の賞レースに並ぶはずだった映画は軒並み後ろ倒しです。いやこれ来年のオスカー『TENET/テネット』が技術賞独占とか普通にあるぞ(実際こんなもの関係無かった『ダンケルク』で既にやってるし)。

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旧作を観るのもまたよきかなですね

レビュー記事ひとつ書くにも調べ物だなんだで大分時間を食ってしまうので、(先述の理由もあって)書くのは大分控えていましたが、なんだかんだで映画はコンスタントに観ています。新作を観に行く機会がめっきり減ってしまった分、公開時に見損ねていた数年前の作品とか、はたまた過去の名作とかを消費していて*3、それもまたよきかなです。これからものんびりしたペースで、時に映画以外の話題も挟みながら、気長にやろうかと考えています。何なら去年の1周年記事は映画どころかフィギュアスケートだったし。

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そう言えば今週のお題は「自分にご褒美」らしいのですが、新年にスペシャルやると聞いて放置していたドラマ版の逃げ恥を観たところ、ハマりすぎて原作一気買いしてしまいました。事実婚ってお互いに確固としたインカムがあることが前提だよなあとか余計なことを色々考えてしまい、自分もみくりのように妄想大好き人間だなと気付かされた次第です(?)。

——今週のお題「自分にご褒美」*4

 

これからの展望

実習で忙しくなるので更新頻度を減らしますと言ったこともあったような気もしますが、いい作品を観て心が動けば文章は書きたくなるし、そういう時は忙しさもほっぽり出して趣味の時間を全て当てるので、そういう宣言はどうやら無意味のようです。これからも自分のペースで映画を観て、面白そうな映画があれば映画館に足を運び、心動かされれば記事を書くのだと思います。わたしひとりの力で何ができるわけではないのも分かっていますが、このブログはネットの片隅で、ただ筆者の好きなものを垂れ流していく、そんな場所にしたいものです。おしまい。

 

追伸:全然関係ありませんが、今年書いたレビューをざっと眺めていたら、『架空OL日記』の記事に目が止まって吉澤嘉代子さんの『月曜日戦争』ほしくなってしまいました。買おうかな。

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月曜日戦争

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関連:ブログ2周年

*1:そう言えばこの時交際が報じられたラミルシは未だにきちんと続いているようです。いいカップルなので末永く続いてほしい。この記事でルーシーちゃんの隣にいるのはマッゼロさんぽいのですが可憐にスルーされているのが何か気になります(笑)。記事ではこんな中クロアチアで羽を伸ばしていることが叩かれてますが。

www.elle.com

*2:これには実は20世紀フォックスの買収が大きく関わっています。昨年ディズニーがフォックスを買収したことにより、独立系作品を数多く送り出してきたフォックス・サーチライトも当然ディズニーの傘下に入ることになりました。これまでサーチライト作品は、(会社の方針もあり)いわゆるシネマコンプレックス型の映画館ではあまりかからず、単館系が上映の中心でした。しかしながらディズニーによる買収により、サーチライト作品はTOHOや109シネマズなどのシネコン型でも公開されるようになり、単館系での上映はシネコン型での後、ということもままあるようになってきたのです。その最初の作品がタイカ・ワイティティ監督による『ジョジョ・ラビット』だったのですが、どうしてもオスカー前に観たかったので、筆者もTOHOへ行ってしまったというわけ……

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*3:「消費」って言うと噛みつかれそうな気もするけれど、本当に沢山積んであるので、この言葉くらいが丁度よいのです

*4:こんな記事書いて下さいの用例に「漫画一気買いとか」と書かれていて思わず笑いました

自分にラブシーンを書くなよクリーズ - 映画『ワンダとダイヤと優しい奴ら』

パイソンズが完全終了した後に、ジョン・クリーズが撮った映画ワンダとダイヤと優しい奴ら』"A Fish Called Wanda" ('88)を観た。華々しいダイヤ強盗シーンで始まり、盗んだダイヤを誰が手に入れるかを巡ってドタバタ劇が繰り広げられる一作。……いやはや、パイソンズを辞めたクリーズが撮りたかったのはこれなのか?(笑)

ワンダとダイヤと優しい奴ら [DVD]

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  • あらすじ
  • そこはかとなく漂うクリーズのアメリカへの憧れ
  • 自分にラブシーンを書くなよクリーズ
  • ペイリンだけがいい人なのだなあ
  • コメディ作品でアカデミー賞に輝くなんて今では……
  • おしまい

 

あらすじ

ジョージ (演:トム・ジョージソン) は、愛人のワンダ (演:ジェイミー・リー・カーティス) とその「兄」オットー(演:ケヴィン・クライン)、動物愛護家で吃音のケン (演:マイケル・ペイリン) と共に、白昼堂々ダイヤをかっさらう。しかしながら、ワンダとオットーが兄妹だというのは嘘っぱちで、彼らの通報によりジョージは逮捕されてしまう。ジョージを逮捕させたふたりはダイヤの隠し場所に向かうが、裏切りを恐れたジョージにより、ダイヤは既に移動させられていた。是が非でもダイヤを勝ち取りたいワンダは、ジョージの法廷弁護士 (バリスタ) であるアーチー (演:ジョン・クリーズ) に近付くが、ワンダに気のあるオットーは、嫉妬からワンダの色仕掛けをおバカな手段で妨害し続けるのだった……

 

そこはかとなく漂うクリーズのアメリカへの憧れ

前身 "At Last the 1948 Show"(クリーズ・チャップマン)と "Do Not Adjust Your Set"(テリーG・アイドル・テリーJ・ペイリン) から『空飛ぶモンティ・パイソン』が生まれたのが1969年。クリーズがパイソンズでの笑いに飽きて脱退したのが1972年の第3シーズン放送中。その後1974年から1983年にかけて製作された映画3本、また同時期のライブなどには参加していたものの、本人の性格などもあり、パイソンズとは明確に袂を分かった状態だった。そんな中で、彼が新作として自ら筆を執ったのが、この『ワンダとダイヤと優しい奴ら』だったのだ。

 

スケッチでこそフラ公アメ公と揶揄していたクリーズだが、本当はアメリカという国に少し憧れがあったのだろうなと思う。4回の結婚の内(あまりに多すぎて母親に呆れられてるのでご心配なく)、最初の妻から3人はいずれもアメリカ人だ。パイソン期に結婚していた最初の妻コニー・ブースとはシットコムフォルティ・タワーズ』を共同製作している。この映画の頃結婚していた2番目の妻バーバラ・トレンサムはアメリカ人女優だ。そして3番目の妻でサイコセラピストだったアリス・アイケルバーガーアメリカ人。パイソンズ唯一のアメリカ人だったテリーGがイギリスに帰化した一方で、生粋のイギリス人だったはずのクリーズは、鬱屈とした母国より海の向こうの国に憧れを抱いていたのである。

フォルティタワーズ DVD-BOX

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  • 発売日: 2002/03/20
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#NHK杯2020 ざっと振り返り

フィギュアスケートNHK杯が終わった。最初はあんまり観る気がなかったのだが、いざ放送されていて暇があると見入ってしまい、結局ほぼ全部真面目に観ていた。今年はCOVID-19のせいで大分異例の大会だったものの、いいものを見せてもらったと思う。

www3.nhk.or.jpNHKプラス配信ページ:https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2020112815506?playlist_id=c0f76016-1d17-441c-a658-5314bf778f08

——今週のお題「感謝したいこと」

 

www3.nhk.or.jp

  • 異例の大会ではあったけれど
  • 女子シングル:遂に3Aを実装した樋口 vs 爆走2Aカオリックス
  • 男子シングル:最早ゆまちと呼べない鍵山さん
    • 相変わらず爆走し過ぎの友野さん
    • かつての羽生を彷彿とさせる鍵山くん
    • 怪我明けを差し引いてもけしからん刑事
  • アイスダンス:3組それぞれに良さがあり
    • 笑顔がチャーミングなおしゃべりりかえい
    • オフアイスの練習成果抜群のTeam KoKo
    • かなちゃんを引き戻してくれてありがとう - かなだい
    •  
    • アイスダンスまとめ
  • おしまい

 

異例の大会ではあったけれど

2020年という年は最初から最後までCOVID-19に振り回された年だった。去年の年末に武漢で変なウイルスが流行りだしたらしいと聞いたのが遠い昔のように思える。知らない内にフィギュアも新しいシーズンが始まっていて、グランプリシリーズ; GPSも今回のNHK杯で最終戦だ。

 

こういう事情もあって、今年のGPSは大分特殊な状況になっている。まず得点は全て非公認スコアだし、出場者にポイントが与えられることもない(つまりは世界ランキングに影響しない)。出場できる選手は、開催国出身、開催国か近隣国に拠点、のどちらかが必要で、例年のように2戦出ることはできない。結果として今回のNHK杯も、海外選手で出場したのは韓国のユ・ヨン(女子シングル)のみで、他は全員日本選手だった。おまけにペアも開催できていない(日本の三浦/木原組はカナダでエントリーしていたのでそもそも出場選手がいなかった)。

 

普段なら6戦あるGPSも、カナダとフランスが中止になり、全4戦だった。カナダに拠点のある宮原知子にペアの三浦/木原組、スイス(ランビの地元)に拠点を置く宇野昌磨紀平梨花もそれぞれエントリーしていたが、結局演技を観ることはできなかった。またトロントで練習する羽生結弦も、日加どちらでも万全の体制で出場できないこと、ファンの移動に伴うリスクなどをあげて欠場した(声明PDF)。つくづく彼らの欠場(というか参加不可?)は残念である。

ameblo.jp

そういうわけで、NHK杯なのにさながら国内戦というような様相を呈していたのだが、なかなか色んなドラマがあったので、ざっとだけ振り返っておきたいと思う。

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自らのキャリアを盛大に揶揄するヒュー・グラント - 映画『パディントン2』

イギリスが誇るもふもふムービー、パディントン2"Paddington 2" ('17)を観た。2014年に公開された前作の登場人物が再集結。おまけにしわくちゃになったヒュー・グラントが、前作のニコール・キッドマンに負けず劣らず魅力的な悪役を演じる一作だ。今作でもパディントンの魅力は彼の大好きなマーマレードのように激甘だった🍊*1

パディントン2(字幕版)

パディントン2(字幕版)

  • 発売日: 2018/06/13
  • メディア: Prime Video
 

 

そう言えば意図していなかったけれど2記事続けてうぃしょさん祭りになった。

mice-cinemanami.hatenablog.com

 

  • あらすじ
  • キャリアを自ら揶揄するおヒュー
    • 若かりし日のおヒュー
    • 因縁のライバル(?)コリン・ファースの台頭
    • この作品はグラントにとって大きな転機だ
  • And Now for Something Completely Different.
    • 相変わらずミスコミュニケーション祭り
    • 泳ぐサリー、TSOWじゃん
    • ハリポタ組がまたひとり
    • ビュキャナンが送るミュージカルシーン
  • おしまい

 

あらすじ

ロンドンであたたかいブラウン家の一員となったパディントン(声:ベン・ウィショー)。ペルーに残してきたルーシーおばさん(声:イメルダ・ストーントン)が100歳を迎えることになり、パディントンは誕生日プレゼントにロンドンの名所を綴った年代物の飛び出す絵本を選ぶ。ところが彼がうっかり口を滑らせたことから、絵本は落ちぶれた「元」俳優フェニックス・ブキャナン*2(演:ヒュー・グラント)に盗み出されてしまう。強盗現場に居合わせたパディントンは誤認逮捕されてしまい、無実の証明と絵本の奪還にブラウン家ともども立ち上がるのだった……

www.youtube.com

 

!!! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT!  SPOILER ALERT! !!!
※新鮮な気持ちでこの作品を観たい方はご遠慮ください※
(でも正直そんなにネタバレはないと思う)
 

キャリアを自ら揶揄するおヒュー

誰が何と言おうとこの映画はおヒューのセルフパロディだ。ビュキャナンはウェストエンドで鳴らした俳優ながら、今ではドッグフードのCM(しかも犬役!)が精一杯の落ち目ぶり。実際のおヒューのキャリアはもうちょっとマシだが、この姿に彼のキャリアが思い起こされないと言ったら嘘になる。

via GIPHY

 

若かりし日のおヒュー

オックスフォード大学在学中に俳優としてのキャリアをスタートさせたグラントは、27歳時の1987年に出演した映画『モーリス』"Maulice" がきっかけで世界的な知名度を得る。その後、1994年の映画『フォー・ウェディング』"Four Wedding and A Funeral"から脚本家リチャード・カーティスと蜜月を築き、相次いでカーティス作品に出演して「ロマコメの帝王」の名を欲しいままにしたのだった。『ラブ・アクチュアリー』('03)のコメンタリーで、カーティスから「君のキャリアはほとんど僕の作品じゃないか」と揶揄されているが、実際この頃のキャリアはそんな感じだったのである。

mice-cinemanami.hatenablog.com

*1:映画『パディントン』チームはGiphyで公式GIFを公開しているのだが、前作のかわかわパディントンから今作の凜々しいパディントンまで沢山公開しているので是非観てほしい。推しはこれ。☞Orange Fruit GIF by Paddington Bear - Find & Share on GIPHY

*2:どう聞いても「ビュキャナン」と発音されているが、あらすじのところだけは字幕に表記を合わせておく

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