ちいさなねずみが映画を語る

すきなものを好きなだけ、観たものを観ただけ—

【お問い合わせ】他者ツイートの貼付について

ブログに設置しているお問い合わせフォームにご意見をいただきました。掲載拒否とありましたが、その内容について重大なものと捉えましたので、概要と筆者の考えを明らかにしたいと思います。

 

なお当ブログへのご意見・ご感想はこちらのページからお寄せいただきます。ブログ内容の改善だけでなく、ちょっとしたご感想でも喜びますので宜しくお願い致します。

mice-cinemanami.hatenablog.com

タイトルにもあります通り、お寄せいただいたご意見は、他者のツイートを無断でブログに貼り付けないでほしい、というものでした。(掲載拒否でしたのでその後の細かい文面は割愛します)。

 

 

筆者の考え

海外記事の紹介の場合

いわゆるカルチャーと呼ばれるジャンルに関して、筆者はTwitterから多くの情報を得ております。洋画関連サイトの新着記事通知、日本に先駆け海外で公開された映画のレビュー記事、また定額配信サイトでの配信情報、ディスクのリリース情報など、挙げればきりがないほどです。(Twitterがそれだけ情報の集まってくるSNSだということでしょう)。

そういった中でタイムリーな映画を観てくると、当然ながら自分のタイムラインにも関連した情報が多く流れていることになります。外国語が堪能で、海外の記事の一部を訳して紹介されている方もいます。また、公開当時予定が合わずに観られなかった作品でも、関連情報のみ目にしていて、後で「そう言えばあんな話があったよな」と思い出すこともあります。

 

さて、その上で映画の紹介記事を書こうと思った時、1番困るのは出典の問題です。こんな賞賛/批判があったんです、あのシーンは実はこういう意味なんだよ、と書くのは簡単ですが、他の人から「教えてもらった」情報をなんにも明記せずに書いておくのは(というよりさも自分の話のように書いておくのは)、著作権上の問題があります。Wikipediaさんにも同じようなことが書いてあります(Wikipedia:出典を明記する)。

特に海外の記事などは、自分でレビューを探していて見つけ当てることもありますが、Twitterなどで思いがけなく紹介されていて、その紹介の仕方が面白くて記憶に残っている、というものもあります。そういった記事に関して、自分で見つけたわけでもないのに、面白いと思った記事の内容だけ紹介するというのは、元々紹介してくださった方に失礼なのではないか、と思って、元のツイートごと貼付をしていました。幸いなことに、か、不幸なことに、か分かりませんが、はてなはツイートの埋め込みがしやすいUIになっており、まるっと埋め込んだ方が引用としての主従が分かりやすい、また引用部分が明記できるとの事情もあったため、埋め込みを頻用していました。

www.asobou.co.jp

しかしながら、(筆者が紹介主に申し訳無く思ったとしても)、元の記事の記述を引かずに翻訳紹介を持ってくることは外面上孫引きにほかならず(勿論紹介する前に元記事の記述は確認していますが)、個人利用の範囲とはいえ、他言語での記載の翻訳には翻訳権や著作権の問題がついて回る*1ということを蔑ろにしていたような気がします。

 

界隈でよく言われることの場合

もうひとつがこれです。全然公式じゃないけれど、特定の界隈ではよく言われる、だけど自分の言じゃない、というあれです。ネットミームまでいかないけれど、でもこの界隈ではよく言われている……こういうのをいざ書こうと思うと、当然ながら作品のウェブサイトや映画サイトの宣伝記事には載っていないので、一般の方の記載を引いてくることになります。例えば濡れシャツダーシーさんとかあまりに有名ですが、でもこういうのは公式で絶対出て来ません。

こういったものに自分で気付いた場合は普通に記事を書けますが、誰かが指摘していて「ほうなるほど!」と思った場合、やっぱり引用なり「こういうご指摘が」という形なりで、元の記述を紹介すると思います。また、言い得て妙過ぎてミームとして一人歩きしているものを、探し出してきて引用ということもしていると思います。

 

もうひとつあり得るのが宣伝とかそういう立場が絡むと書けないことです。作品とか記述の仕方に対する批判とか賞賛とか。映画関連の記事が炎上したりして、そういうものへの意見が溢れている時もあります。そういう時に、「自分だけが言ってるんじゃないんだな」という意味で、他の方の意見を引いてきたり、というのもあり得るでしょう(現にこのブログで探せば見つかると思います)。

 

様々なスタンスの方が

その上で冒頭のご指摘に戻ります。日本だけでも多くの利用者がいるTwitterなので、その使い方には様々なスタンスがあると思います。まとめサイトに使われるのはNGという方とか。自分の管理できないところで使われるのはNGという方とか。引用リツイート絶対駄目という方とか。リプライする前にはフォローして名乗らないと駄目だという方とか。使われるのはよいけれど許可とか報告はくださいという方とか。逆にどうしていただいても構いませんよ、という方もいるとは思います。それだけ多くの方が使われているので。

 

拙ブログでは、(元投稿に対して)悪意ある引用は控えるように、など、自身で一定のルールを作って引用/紹介を行っています。しかしながら、今回のご指摘を受けて、自分の手の届かないところで自分の投稿が使われることに嫌悪感を抱く方もいらっしゃるのだな、ということを改めて実感致しました。今後は一般の方のツイートに関してこういった利用を出来るだけ控え、節度ある利用を心掛けたいと存じます

 

なお、はてなの仕様上可能なツイートの埋め込みに関しましては、文化庁が示す「著作物が自由に使える場合」の以下の記述に該当するものと考えておりました。先述の通り、埋め込みでは「自分の著作物と引用部分とが区別」されますし、「自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確」になります。また、当ブログでまとめサイトのような行為(他人のツイートをまとめるだけで構成された記事を作ること)は行っておらず、常に自分で作った流れの補強となるよう心掛けてきましたので、主従関係の問題についてはクリアするものと思います。また、Twitterサービス利用規約には「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」として、ツイートの埋め込み・引用などを前提とした条項があり(下記)*2、記事での利用はこの範囲内であると考えていました*3

「【引用(第32条)】[1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。(注5)」[後略]

 

(注5)引用における注意事項

 他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。

(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)」

——文化庁、「著作物が自由に使える場合」、2020年12月20日閲覧

 

(前略)「ユーザーは、このライセンスには、Twitterが、コンテンツ利用に関する当社の条件に従うことを前提に、本サービスを提供、宣伝および向上させるための権利ならびに本サービスに対しまたは本サービスを介して送信されたコンテンツを他の媒体やサービスで配給、放送、配信、リツイート、プロモーションまたは公表することを目的として、その他の企業、組織または個人に提供する権利が含まれていることに同意するものとします。」(後略)

——Twitter、『ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾』「Twitterサービス利用規約」、2020年12月20日閲覧

 

しかしながら、本音と建前は得てして異なるものであり、プロフィールに二次利用拒否などを明示していなくても、そういった行為を好まない方はいらっしゃいます。企業や作品などの公式アカウント、また報道機関などの公的なものを除き、自重した方がお互いの幸せになるのではと考えました。

 

過去の記事について

ご指摘いただいた件につきまして、過去の記事を全て修正して回ることも考えました。しかしながら拙ブログは既に160件以上の記事を抱えており、その全てを確認して修正していくのは途方もない作業です。現実生活との兼ね合いを考えると現時点での対応は不可能と考えました

 

先程ご紹介した文化庁のページには、これらの条件の例外事項として、「著作権が制限される場合でも,著作者人格権は制限されないことに注意を要します(第50条)」との記載があります。引用の条件を満たした記載でも、著作者には著作者人格権が残っており(公益社団法人著作権情報センターの記事に詳しいです)、これらの権利の範囲で、自分の著作物の利用許可を覆すことができます。著作権法では「第七章 権利侵害」以降にその権利などが記載されています(著作権法 | e-Gov法令検索)。公表権は未発表の著作物対象ですし、同一性保持権に関してはそのような引用はしておりませんので該当しませんが、名誉声望保持権に関しては、申し立ていただければ行使可能です

kigyobengo.com

ご自身の記述が当ブログで使われている方の中で、当ブログでの利用を望まない方がいらっしゃいましたら、該当する記事と記述について明示の上、当ブログのお問い合わせフォームよりお申し出ください。できるだけ早急に対応致します。

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なお、お申し出のない記事に関しましては、この記事の記載をもちまして免責とさせていただきたく存じます。オプトアウト方式で申し訳ありません。個別の案件には対応いたしますのでお許しください。【追記】対象記事はこの記事以前の全記事、具体的にはブログ開設から2020年12月19日以前の投稿記事全て、と致します。【追記終わり】

これから書く記事に関しては以上のポリシーに則って運用して参ります。時が経って忘れていたらまたご指摘ください。

 

末筆ではございますが

末筆ではございますが、掲載拒否との希望を出されていたにもかかわらず、お問い合わせいただいた内容を公開してしまいましたことお詫び申し上げます。これ以外にもご意見・ご感想などございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡お願い致します。

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about us

※投稿後追記:免責対象となる記事について、日付を明記しました。

*1:自分で見つけて紹介したい記事は沢山ありますが、ブログで全訳をしてしまうと翻訳権の問題があるので(許諾のない翻訳を勝手にすると元の文章の著作権問題になります)、このブログではやらないようにしよう、と決めています。ブライアン・シンガーにまつわる疑惑の記事を途中で打ち切ってしまったのにもそういう事情があります。戸田奈津子と『フルメタル・ジャケット』問題を考えてもらえれば分かると思います

*2:ツイートを埋め込む機能自体はTwitter公式で用意されているもので、利用規約の記述はこれらを想定したものと読み解きました☞

help.twitter.com

*3:翻訳臭い文章で分かりにくいのですが、元の英語を読むと、"on other media and services" とあり、その範囲は一個人にも及ぶと定められています

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