ちいさなねずみが映画を語る

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アンビバレントさを至極丁寧に描き続ける - #PICU小児集中治療室 SP2024

4月13日に放送された『PICU 小児集中治療室 スペシャル2024』を観た。2022年に放送された同名連ドラの新録特別編だ。このブログでも幾度となく取り上げた『監察医 朝顔』と同一制作陣であり、静かに、それでいて丁寧に人物描写するさまはふたつに共通している。SPでもその丁寧さは健在であり、是非このキャストで第2シーズン以降も制作してほしいと思うばかりである。

 

ネタバレの無いあらすじ

札幌丘珠空港に隣接し、広い道内をチャータージェット(本編中では"ドクタージェット")でカバーもする丘珠病院PICU。北海道のため招聘された科長・植野(演:安田顕)を筆頭に、小児科、小児外科、救急科などが集まって結成されたPICUは、開設から暫くが経ち、新たな後期研修医2名を受け入れるに至っていた。

 

開設当初は覚束ない様子だった志子田武四郎(しこちゃん先生、演:吉沢亮)も、初の後輩登場に腕を鳴らすが、やってきた瀬戸と七尾(演:小林虎之介、武田玲奈)とはすれ違いの日々になる。PICUの同士である河本舞(演:菅野莉央)、再び僻地医療へと旅立った矢野悠太(演:高杉真宙)、そして子育てに奔走する涌井桃子(演:生田絵梨花)との関係も少しずつ変化していくのだった……

tver.jp - 暫くはTVerで配信中です(240413放送、240415現在)

 

!!! この先では物語の筋書をネタバレありで考察します !!!

 

 

この丁寧さよ、戻ってきてくれてありがとう

いやあまあこの通りである。『監察医 朝顔』の時も思ったが、この制作陣は静かな筆致で人物描写を丁寧に描くのがとても上手い。医療ドラマは得てして飛び道具的な展開になりがちであるものの(例えば悠太役の高杉真宙が出ていた昨季のあれとか☞)*1、『監察医 朝顔』もしかり、ドラマの中では医療従事者も全ていち人間として描かれているのが特徴だ。若い医者が理想と現実の狭間で思い悩み、折り合いを付けていく苦しい作業を、その葛藤も含めて丁寧に描いている。

 

連ドラ版で新米空回りボーイだった志子田は、独り立ちして患者を診ることができるPICUの立派な戦力になった。その成長の背景には、生死の狭間で薄氷を踏むこどもたちに接し、悲しみも喜びも両方知ったことがある。以前ならば理想のために突っ走っていたところ、現実とのバランスを取るために一歩引くこともできるようになった。とはいえ、目の前の患者を全て救いたいという熱血さは健在で、それはそれで志子田の良さでもある。『青天を衝け』で既に大河ドラマ主演を務め、美形俳優の名を欲しいままにしている吉沢亮をもって、「顔はいいけど中身はちょっとイマイチ、でも患者思いのよき医師」というところに落ち着けているのがよい*2

 

丁寧さという点ではドラマのもうひとつの主人公たちである小児患者の描き方にも向けられている。ALL患者の日菜(演:小吹奈合緒)、DCM; 拡張型心筋症で移植待機中の圭吾(演:柊木陽太)*3はSPにも再登場するが、大人とこどもの狭間でアンビバレントな彼らの姿を丁寧に描いている。

持病を抱え入退院しがちなこどもたちの精神は、周囲よりもちょっと大人になっていて、その成長は我々外の大人が考えるよりずっと早い。一方でこどもであることも確かであり、精神の奥底には甘えたい気持ちが隠れている。こども扱いは嫌だけれど大人でもない、そんなアンビバレントな様子が物語の隠れた軸にもなっているのだ。その姿は、目の前の患者を全て救うという理想にまだ甘えたい若さと、経験を重ねて時には諦めが必要と学んだ姿と、その狭間にいる志子田の姿とも同じなのだろう。

 

まだまだ続く☞☞☞

 

こんないけすかない後期研修医いるか?

今作で唯一欠点とするならば、志子田の後輩として登場する瀬戸と七尾のふたりが、決定的にいけすかない後期研修医という点だろう。確かにシリーズ序盤の志子田も、知識を伴わず情熱だけが前面に出ていていけすかなかったが、それは患者に対する熱量が空回りしただけであった。一方今回のふたりは、「植野先生に教わりに来たので」とだけ言って他のメンバーからは一切学び取ろうとせず、挙げ句ホウレンソウ(報連相)もできずにただ引っかき回していくというとことんいけ好かない役である。Z世代はこんなもんだぜと言いたいのかもしれないが……*4

 

ふたりの背景はよく分かる。志子田が途中、自分は大学の先輩だからね、と話しかけているので、ふたりは道内の医大の同級生でありそうだ。

瀬戸の両親は、東京で病院を夫婦経営していて、どちらも東大出身という設定である。一方の息子は志子田の後輩なので北海道の医大出身だ。部外者にすれば医者なんてどこの大学でも同じだろと思われがちだが、旧態依然とした医者の世界において、どこの大学出身かというのは酷く大きな問題だ。旧帝大を中心とした学閥が未だに幅を利かせている中で*5東大閥は最も強い学閥である。勿論最高学府の理IIIに入るのは大変難しいのだが、両親も東大出身とあれば、当然そこに進むことはある程度期待されていたであろう。それが遠く離れた地方大学、北の大地出身となると、しっかり医者になったとはいえ多かれ少なかれ気に病むものなのである*6*7

七尾にはそういう背景は無さそうだが、志子田が勧めたPICUの教科書を一瞥して「もう読みました」と言っている辺り、成績優秀で通ってきた女子学生だったのだろうと思う。しかしながら、現場で役に立つかと言えばそうではなく、多発外傷で運び込まれた不穏ボーイの処置では足がすくみ*8、挙げ句動けなかった自分を棚上げして他人のせいにする、めんどくさい女である。きっと座学は勤勉でも実学となると微妙なタイプなのだろう。

 

……と、この大変めんどくさいふたりは、植野の薫陶だけを望み(その割に七尾は植野に逆恨みで喧嘩を売っているが)、その他のPICUスタッフの言葉には耳を貸そうとしない。志子田が1番下っ端だから、というだけではないのである。その辺は個人の勝手だが、忘れた頃に、過去の人脈に助けられたりするのが医者の世界なのに……勉強したいと言って道内唯一のPICUに来ておいて、あんないけ好かない言動を取る後期研修医がいるだろうか……?*9 色々丁寧なこのドラマにおいて、ふたりの性格だけはリアリティに乏しい。

 

今回取り上げられた疾患

稚内からの緊急搬送(HCM)

冒頭PICUへ飛び込んでくる稚内からの緊急搬送案件。搬送中に肥大型心筋症(HCM)の診断が付き、PICU到着後速やかにECMO導入の流れとなるが、その前に機内でVFから心停止となる。志子田は同期の矢野とも協力して一連の流れを見事にこなすが、正直自分が同じように動けるかというとかなり怖い。きちんとPALSができるか? もそうだし、ジェット音でうるさい機内において、FD; フライトドクターには音がほとんど使えない。しこちゃんも悠太も専攻医3-4年目であるのに、的確な判断ができて立派すぎる。

 

彼の予後は本編では割愛されているが、持久走中の失神と考えると、恐らく身体の血圧を司る左心系の出口が狭くなる閉塞性肥大型心筋症; HOCMなのではないかと思う。ここからECMOの管理をするところもアツいのだが、その辺はまあ長くなるので、初期対応だけが示されたのだろう。

 

新生児の臍はちゃんと消毒してくれ - 新生児臍炎からの壊死性筋膜炎

赤子が生まれた時、臍が落ちるまで毎日観察して、更にきちんと乾くまで消毒するよう指導されるのはこれのため、というエピソード。臍は胎内で母子を繋ぐトンネルであり、中には臍動/静脈が走っていて、血流ショートカットのため腹腔内を走っている。出生と同時にこれらの血管は不要になるが、閉鎖にはちょっとしたタイムラグがあるので、その間に菌が入り込むと、直接血管内や腹腔内の感染症に繋がってしまう

普通に生まれた子でも、ちょっと臍が赤いだけでびびって処方するというのに、この子は文字通り産み落とされて放置された母なし子だった。低体温症も相まって、最初から壊死性筋膜炎という負け戦になっており*10*11、結局彼女は亡くなってしまう。たかが臍の消毒と侮るなかれ、なのだ。

 

一生懸命探しても母は見つからず(きっと未受診妊婦だったのだろう)、彼女は亡くなるまで誰にも抱っこしてもらえない哀しい人生を送る。成長したが故に限界も分かるが、でもやはり救いたかったと志子田の顔が哀しく映る。

 

この話に水を差すようで申し訳ないが、2500 g前後の新生児にしては、演出されている補液の設定が適当でちょっとな、と思った。生後2週間前後推定との設定だが、腎機能も何も分からないし、そもそも3 kgない子の補液なんて1日200-300 mLくらいしか使わないので、ソルF(細胞外液製剤)の500 mLバッグをぶら下げるよりこまめにシリンジ交換する気がする。あと途中でメインが20 mL/hになっているシーンがあって、2.5 kgの子に大分入れるなとは思った(生食負荷の最中だったのだと信じる)。

あと途中で敗血症性ショックなのにステロイドを使うのは……という議論があるが、敗血症の初期治療でステロイドを使用すること自体は、少なくとも成人領域では思ったほど忌避されていない、ということは示しておく。(松嶋、総説「ステロイドを活かす surgical intensive care:敗血症性ショックの治療戦略」、Japanese Journal of Acute Care Surgery 2019; 9: 233~238)(簡単アンケート第 68 弾:敗血症性ショックに対するステロイド
(2018 年 6 月実施) - JSEPTIC 臨床研究委員会
)

www.carenet.com

ALLガールの感染症 (恐らくカテ感染)

シリーズでも登場していた唯一の志子田先生ファンクラブメンバーこと日菜。ALL; 急性リンパ性白血病の治療中で、合併症の感染症を繰り返してPICUと病棟を行き来しているという設定だ。抗菌薬は現行がTEIC; テイコプラニン、瀬戸が提案するのがVCM; バンコマイシンなので、恐らくは何度もカテ感染を繰り返しているのだろう。血液疾患あるあるの展開だ。

 

瀬戸はMICが低いからと言ってVCMを提案するが、志子田からは肝障害が出ている現状と、以前発疹が出た経過がそれとなく伝えられてやんわり断られる。それなのに、暴走した瀬戸は、彼女が発熱したタイミングでこれ幸いとVCMを使用し、レッドパーソン症候群を起こして大問題となる。……いやあほんとこのシーンほんと臨床センス無いわあ……

まず瀬戸くんは他人の話を聞かずにいきり散らかす前に抗菌薬と感染症治療を学んでほしい。MICが低いことはそれ即ち体内での効果が高いということではない*12。下手なタイミングで抗菌薬をスイッチすることは、耐性菌を生むリスクにもなる。特に日菜のように長丁場の血液疾患では、ひとつ薬が使えなくなることはその後の治療選択にも大きく寄与してしまう。

そして瀬戸が選んだバンコマイシンは(いや実はTEICもそうだが)、TDMと言って薬物濃度のモニタリングが必要で、臓器障害を起こさないために、定期的な採血と投与量設計が必要な薬である。他の抗菌薬と違って、同じ量をぽんぽん使えるわけではない。

 

瀬戸は熱発する日菜を見て、これは感染だと思ってVCMを入れ始めるが、原疾患から考えると、FN; 発熱性好中球減少症の可能性も残る。FNならばオープンスペースのICUではなく個室治療が望ましいし、抗菌薬を変える前には血液培養も採取した方がよい。色々書いたけれど、志子田を出し抜けたぜ! といきり散らかしている場合ではない

 

1番問題なのは、過去レッドパーソン症候群*13があったと聞いていたにもかかわらず、看護師をはじめとしたコメディカルにも何も言わず、勝手にシリンジに薬を詰めて投与していたという点だ。報連相がなってないし*14、シリンジポンプでたかたか押すような薬でもない*15

——この本でも読んで勉強してください!!!

 

自動車事故による多発外傷のきょうだい

七尾先生が挫折しかけたきっかけの事件。頭部外傷(急性硬膜外血腫)と肝損傷で意識障害に陥った姉と、やや軽症だが下腿骨折と肺挫傷・血胸に陥った弟の2名が運ばれてくることになった。弟くんがみんなに群がって押さえつけられるのはちょっと心が痛かった。PICUのような緊急の場だからこそチャイルド・ライフ・スペシャリスト; CLSが必要な気がする。というかライン取ってミダゾラムの一発でも使ってあげてくれ。

www.m3.com

姉の方は急性硬膜外血腫を合併していて、予断を許さない状況だった。急性硬膜外血腫は画像で見るとレンズ型の血腫になるのが特徴で*16、頭蓋骨骨折により直下の血管が破綻して起きることが多い。直達外傷(coup; クー)でできることが多く、画像でも左後方にできていたので、助手席側からトラックにぶつかられたという話と一致する。

 

思い詰めた様子の桃子 (すわマルトリートメント騒動)

志子田家で幼馴染み4人が会食したシーンから思い詰めた表情だったので、何かあるんだろうなと思ったら重い話をぶち込んできた。会食のシーンでも気になる点はいくつかある。桃子の娘・南々子は、離乳食を全く食べず、桃子は疲弊している。実際こういう子はちらほらいるし、何とか食べさせようとして親が躍起になっているうちに、お互いむきになって悪循環に陥っているパターンもよくある。低身長の精査の前に偏食がないか確認しろ、と教わったくらいだ(実際南々子には体重増加不良がある設定)。

また、この席で桃子は娘をあやすために動画サイトを見せていてみんなに気にされるが、メディア依存とまで行かずとも、まーこうやって取り敢えず動画を見せておく親は本当に多い。入院患者の回診でカーテンを開けたら子どもがずーっとYouTubeを観ていたとか日常茶飯事だ。発達障害診療の世界では、子どものスクリーンタイムを制限するようにというのは最早定説なのだが……(親が楽なのは分かる)。因みにテレビがよくないと言われるのは、情報のやりとりがテレビ→こどもたちへの一方向性に留まってしまうから*17、とされる。

 

中盤、娘が吐いてしまったという桃子からのヘルプがインサートされ*18、最後には事故で丘珠病院へ救急搬送となり、桃子は泣き崩れる。

ここで、中尾明慶演じる救急医の東上は、虐待を疑っていると明言するのに速効で志子田と河本を呼び出す。これは虐待診療の上ではよくない行動だ。結局事故であったからよかったものの、保身のために保護者が嘘をつくことだってあり得るし、知り合いだからこそ虐待の可能性は否定したくて、曇り無き眼で見ることは難しい。虐待を想起するのであれば、第三者になれる人物を窓口に立て、多少悪者になってもらってでも調査してもらうのがよかろうと思う。

——ずっとこの本欲しいって言ってる(高過ぎるので他力本願)

 

おしまい

スペシャル版はTVerで期間限定見逃し配信中。2022年に放送されたシリーズ版は、各種配信サービスないしディスクで観ることができる。シリーズ版ではDKAやけいれん重積など内科救急疾患はあまり出て来なかったので、小児内科救急疾患も含めて第2シーズンを制作してもらえればと思う。

小児科さん向けにはこういうのもあるよ。そう言えば作中に出てくる医学書や雑誌も馴染みのものが多くて、この道に進んだなあと痛感しました。

小児救命救急・ICUピックアップ5 内分泌・代謝救急疾患

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関連:PICU小児集中治療室 / 吉沢亮 / 安田顕 / 木村文乃 / 高杉真宙 / 高梨臨 / 菅野莉央 / 生田絵梨花 / 生田絵梨花 / 中尾明慶 / 正名僕蔵 / 甲本雅裕 / 大竹しのぶ

*1:どうでもいいけど、『となりのナースエイド』でつんけんした外科医大河先生、大河ドラマ『光る君へ』で「姉様(=紫式部)が男だったらなあ」と嘆かれるちょっとぽんこつ弟・惟規、そして今作で演じる悠太と、高杉真宙の見せる役柄の幅はとても見事だと思う

*2:大事なので『光る君へ』の実資(演:ロバート秋山)ばりに2度言うけれど、吉沢亮の顔なのに、完全に「中身がちょっとイマイチなんだよね〜」と思えるキャラなの良すぎませんか???

*3:どうでもいいけど検査入院のシーンで、意味無くベッドサイドモニタがあるのと、ずーっとHR80bpm, sinus & SpO2 99-100 %(r.a.)なのが気になった。ペースメーカではなく補助人工心臓なので、彼の心拍数は会話などで揺らぐはずだし、普段元気に過ごしている彼に、ベッドサイドモニタを付ける意味はあまりない

*4:ぎりゆとりとか、さとりとか、色んなことを言われて育った年代なので、世代によるレッテル貼りは大嫌いだ。どこまでやるかは結局本人次第なので。また医学部はまだまだ旧態依然としていて、まだそんなんありますか? みたいな不思議な因習が残っていたりするので、あんな先輩の話聞きませーんみたいなつんけんした子は生き残れるのか微妙な気がする。

*5:「この病院の〇〇科はどこ大の系列?」とか、「この地域の中核病院だけれど、〇大と△大が両方いる診療科なんだよ」とか、そういう会話はリアルによくある話

*6:しこちゃん先生たちが北海道のどの医大出身か示されていないし、何なら北大は旧帝大なんだからそんなこと考えるかよ、と思う皆さんは甘い。東京から新幹線で1時間強とアクセス抜群の仙台に位置し、指定国立大学法人で全国2番目の研究費を誇る東北大学でさえ、関東の学生にしてみれば「関東圏の医大に入れなかったので都落ち」みたいなことを言う人がいるレベルなのである。なお大事なので言っておくが東北大は旧帝大の一角だ

*7:個人的には親が医者だから医者になれと強制するのは嫌いだし、みんな自由に職業を選べばよいと思うのだが……

*8:まあ正直フェンタ(ニル、麻薬性鎮痛薬)は先に吸っとけと思うし、あんなに群がって押さえつけて怖がらせるくらいなら、ミダゾラムの一発でも打った方がよいのではとは思うが

*9:そう言えば七尾は「研修医の七尾です」と挨拶して患者の親の地雷を踏み抜いているが、「研修医」と名乗るのは初期研修医の間だけという医師が多いと思う。その後、診療科を決めて専門医を取得するまでの期間は「後期研修医」という肩書きになるものの、この期間も「レジデント」とか「専攻医」と名乗ることが多い。……あと、女医は医者と名乗っても平気で看護師など別の医療職と間違われるので、下手に「研修医」と言わない方がよいと思う(?)。

*10:成人でもなかなか治癒が難しく、デブリの末に大きな組織欠損を残すことも少なくない

*11:志子田が提案するように高圧酸素療法も文献的にはあるのだが、あの潜水艦に呼吸器やら輸液ポンプやらモニタやらを持って入るのは嫌だよねえという気持ちは過ぎる。搬送で連れて行っただけなのに、ここでずっと付き添いながら待つのはしんどそうと思ったので

*12:MIC; 最小発育阻止濃度は飽くまで試験管内の結果である。MICが高く対象菌が耐性を持っている場合は臨床的に意義があるが、MICだけで体内での薬物動態を推し量ることはできないので、AUCやトラフ/ピーク値など、その他の項目も考えながら選択していくことになる→JANISレクチャー「よく分かる! 薬剤感受性検査結果の読み方と活用方法」(180717)も参照

*13:VCMで有名な副作用。VCMにより体内のヒスタミンが急激に遊離し、アレルギー様の症状、顔面の紅潮などが一気に起こる。アナフィラキシーではないので使用停止までは必要ないが、予防のために1回量は1-2時間かけて投与することが求められる。起こった場合は抗ヒスタミン薬の使用までは一般に書かれているが、今作のようにステロイド剤まで使うのか、また消化管作用が出てきて制吐剤を要するのかどうかは、少し議論になりそうだ☞

https://www.kansensho.or.jp/sisetunai/kosyu/pdf/q047.pdf

www.igaku-shoin.co.jp

*14:医療従事者が円滑に働くために1番大事なこと、あと他の職種から嫌われないために1番大事なこと、それ即ち報連相

*15:普通は生食50-100 mLに必要量を溶解して1-2時間で落とすようにすると思う

*16:もうひとつそっくりな急性硬膜下血腫は三日月型になる。先日鳥山明画伯の死因になったのは急性硬膜血腫の方。

www3.nhk.or.jp

*17:子どもたちはテレビなどの映像メディアを通じて大量の情報に触れる。それに反応して何か喋っても、生身の人間と違い、自分の反応に相応しいレスポンスはなく、次の情報次の情報へと流れていってしまう。これが問題とされている

*18:このシーンで志子田は「胃腸炎じゃない?」「そうじゃないなら便秘だ」と言っているが、まーほんとにこどもの便秘は多い。というか胃腸炎より先に便秘→嘔吐を考えるかもしれない。外来でなんぼ浣腸の依頼をかけたか既に分からなくなっている

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