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混沌とし続けるオスカーの行方 - 全米映画俳優組合賞/SAGawards

全米映画俳優組合賞; SAGの授賞式が終了した。アカデミー賞の授賞主体である映画芸術科学アカデミー; AMPASは、俳優会員が1番の多数派であるためSAG賞はオスカーの行方を占う上で重要な試金石ともされる。

ところが今年のSAG賞、前評判をひっくり返して非オスカーノミニーが受賞してしまったり(助演女優賞、何なら1番の有力候補はノミニーにすら入っていない)、GG賞と並んであの人に賞が渡ったり(主演男優賞)、キャスト賞(事実上のアンサンブル演技賞)にあの大ヒット映画が入ったり……オスカーの行方は例年に無く混沌としたままである。

 

というわけで、今回はオスカーの指標ともなる映画対象の5部門と、わっちゃわっちゃボラプボーイズ(懲りない)の2本立てでお送りしたい。

 

 

 

 

映画部門結果まとめ

テレビ部門も含めてすべて見たい人はこちらに公式が。

www.sagawards.org

 

オスカーほぼ当確:助演男優賞

助演男優賞は『グリーンブック』のマハーシャラ・アリが獲得。ここまでGG賞受賞先日の放送映画批評家協会賞(Critics Choice Awards)受賞、そしてBAFTAノミネート済(授賞式は2月)という結果で、このSAG賞を手中に収めることになった。この結果から、アリは2年前の『ムーンライト』"Moonlight"('16)以来のオスカー助演男優賞ほぼ当確状態である。

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因みにアリは、『ムーンライト』で「ここ10年の受賞者中、出演時間最短」という記録を打ち立てた人物でもある。素晴らしい映画なので、未見の方はオスカー前に是非チェックを。

 

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助演男優賞に共にノミネートされたのは以下の4人。いやほんと、シャラメがオスカーノミネート落ちしたのだけは解せねえ……

 

無冠の女王に遂にオスカーが?:主演女優賞

主演女優賞は『天才作家の妻 40年目の真実』"The Wife"のグレン・クローズが受賞!

御年71歳のクローズは、これまで6回のノミネート歴がありながら、1度もオスカーを手にしていない。しかしながら、先日のGG賞ドラマ部門受賞に続き、放送映画批評家協会賞; Critics Choice Awardsをレディー・ガガとタイ受賞し、更にSAG賞まで獲得した。この後にはBAFTA/オスカーが待っているが、ここまで来ると、彼女が「7度目の正直」にしてオスカーを手にする可能性もかなり高いと思う*1

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今年の対抗馬は、『アリー/スター誕生』のレディー・ガガ、『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマン、『メリー・ポピンズ リターンズ』で助演女優賞とダブルノミニーだったエミリー・ブラント、"Can You Ever Forgive Me?" のメリッサ・マッカーシーだった。大豊作の今年は、受賞者もかなり割れてはいたものの、ここに来てクローズの長年の貢献へ女神様が微笑んでいるのかもしれない。

——勿論ガガさまも素敵でございました

 

えっ?!この人が獲ってこの人が入ってないの?!:助演女優賞

1番混沌としていたのはこの助演女優賞だ。ノミニーは以下の5人。

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女王陛下のお気に入り』の2人と『バイス』のエイミー・アダムスが順当にノミネートされたほか、オスカーで落選した『ファースト・マン』のクレア・フォイと入れ替わる形で、ノミネートされたりされなかったりだった『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』のマーゴ・ロビーがノミネートされた。

しかしながら、このノミニー、ある人物が欠けている。GG賞を押さえ、今年のオスカー最有力候補とも言われる、ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キングだ。放送映画批評家協会賞を獲得して勢いに乗っていたにもかかわらず、その後はBAFTA、SAG共にノミニーにすら入らず。オスカーではメンバーが違うのでキングが有利かとは思われるが……

 

そんな中、この部門での新顔的存在で助演女優賞をかっさらってしまったのが『クワイエット・プレイス』のエミリー・ブラントである。新生メリー・ポピンズでもある彼女の実力は充分折り紙付きなのだが、この作品での助演女優賞ノミネートは恐らく初めてのはずだ。というかどう考えても彼女が主演なのだが、そこは強者揃いの賞レースを見て、助演扱いにしたのだろうと思う……*2

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この作品の監督兼主役を務めたのは、ブラントの夫でもあるジョン・クラシンスキー。ブラントの名前が読み上げられた後、共に喜ぶ姿がシェアされていた。ふたりともおめでとう!

 

まだまだ読めないこの部門:主演男優賞

はっきり言って今でもちょっと信じられない。SAG賞をラミ・マレックが押さえた。好きだからこそ散々引き算してきたのだが、今や彼は、今年の大本命と言われていたブラッドリー・クーパーより余程オスカーに近いところにいる。

ルーシーちゃんとすぐに喜びを分かち合うのも素敵だし、他のキャストにサインを送ったマレックへ、グウィリム・リーが応えているのもすっごく良い!

 

彼以外のノミニーは、『アリー/スター誕生』のブラッドリー・クーパー、『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン、『バイス』のクリスチャン・ベール、『ブラッククランズマン』のジョン・デイヴィッド・ワシントン。

この中で頭一つ抜けているのは、GG賞ミュージカル・コメディ部門と放送映画批評家協会賞を獲得したクリスチャン・ベール。マレックもGG賞を獲得しているので、ここのところの映画賞では割と互角なのだが、そのふたりの共通点は「メイクで化けて実在の人物を演じた」ところである(付け歯のみのマレックに比べ、ベールの方は「君だれ?」レベルなのだが)。比較する存在がいる分、批評家からの目も厳しくなりやすい。そんな弱点をはねのけての受賞は素晴らしいものだ。

 

オスカーの予想をしたいところではあるが、まずはBAFTAで様子見といったところか。先述の通りBAFTAはイギリスびいきをしがちな賞でもあるが……自国出身のクリスチャン・ベールが有利かと思いきや、マレックが演じたのは、イギリスが世界に誇るクイーンのフレディ・マーキュリーだから、本当に予想できない。はてさて、どうなることやら……

 

アンサンブル演技賞は去年話題のあの映画!

今年のノミニーは、『アリー/スター誕生』、『ブラックパンサー』、『ブラッククランズマン』、『ボヘミアン・ラプソディ』、『クレイジー・リッチ!』の5本。トリプル主演と言われた『女王陛下のお気に入り』が落選したので、意外に仲良しボラプボーイズにも目があるかな?なんて考えてしまうラインナップだった。そしてここにクレイジー・リッチ・アジアンズが入っているのがかなりエモい。ノミネートだけで価値がある。(ちなみにこの部門、飽くまで俳優たちの演技が対象になるので、作品の評価とかそういうめんどくさいものは、結構抜きで考えられる。というわけでボラプを有力候補に推していた事情があったのだ)

——マッゼロさん「撮影中は家族みたいな感じだったから、このメンバーでノミネートされたことが嬉しいんだ」💕

 

この部門を制したのは『ブラックパンサー』! 個人的にはボラプを推していたが、この映画も大好きだし素晴らしいので嬉しい結果だ!

この動画、レティーシャ・ライトか誰かが "Wakanda forever~~~~~~~!"と叫んでいる気がする。

 

ところで先程ノミニーをチェックしてきたのだが、出演者の欄にしっかりマーティン・フリーマンの名前もあったので、(授賞式に出席こそしていなかったが)彼も受賞者のひとりである! この映画は、黒人主演で、脇もほとんど黒人キャストで固めたスーパーヒーロー映画ということが大きく取り上げられたが(勿論それは映画史を考えれば特筆に値することだと思う)、数少ない非黒人キャストのひとりが、大好きなマーティンということが本当に嬉しく思う。

 

最後にティ・チャラ様によるスピーチをどうぞ! (スピーチ中、脇にいたアンディ・サーキスが「君も入っていいんだよ」と言われるシーンがあるのも素敵)

 

www.instagram.com - 『ブラックパンサー』と『クレイジー・リッチ!』、『ボヘミアン・ラプソディ』のキャスト大集結!

 

映画賞恒例?ボラプボーイズ大騒ぎ

すっかりお馴染みになってきたボラプボーイズ(とブライアン・メイ)の大騒ぎ集である。

 

まずは授賞式前のブライアン・メイ。写真に付けられたキャプションは"GOOD LUCK tonight Rami, Lucy, Gwil, Ben, and Joe !!! Wishing you recognition for your wonderful work. But, win or not, you’re our heroes for sure. Bri"。「受賞してもしなくても、君たちは確かに僕らのヒーローだよ」という彼の言葉が本当に心に染みる。メイがキャスト陣を愛している証拠だと思う。因みにマレックの受賞に際して、ちゃんとおめでとうメッセージマレックのスピーチをシェアしていた。

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作品がアンサンブル演技賞にノミネートされたので、ノミニーになった出演者も大集結! 『ボヘミアン・ラプソディ』のシングルカットに反対するプロデューサー、レイ・フォスターを演じたマイク・マイヤーズもそのひとりで、俳優としての生き様を語る特別コーナーでもスピーチした。

 

笑顔いっぱい♡ルーシー・ボイントン

メアリー・オースティン役のルーシー・ボイントンも登場!主演男優賞を受賞したマレックと喜びを分かち合っていたことは既に述べたが、笑顔いっぱいの姿をシルヴァーカーペットで見せてくれて、大ファンの筆者としてはただの眼福である。

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www.instagram.comところで「べえ〜だ」とでも言いたげなこの写真、何故こうなっていたかというと……

 

この後ボラプボーイズ3人と一緒にフォトセッションへ応じていたが、そこはおふざけボーイズが3人も揃っているので、こんなことになりましたとさ。

——元動画はこちらで☞Gwilym Lee, Joseph Mazzello, Ben Hardy, Lucy Boynton at the 25th... ストック動画・映像 | Getty Images

 

最早お笑いトリオ:リー、マッゼロ、ハーディ

いい加減マレックが呆れ始めそうな気すらするこの3人だが、やはり手抜かりは無かった。「このキャストでノミネートされたことが嬉しい」と語っていたマッゼロの言葉通り、みんな一緒になって大はしゃぎ!

ベンハくんのこの投稿、キャプションがかなり秀逸である。写真からも分かる喜びぶり!

www.instagram.com"1. Okay okay let’s act serious for these photos... 2. Ah screw it.. #bohemianrhapsody #sagawards2019"

「1枚目:オーケーオーケー、この写真では真面目なふりしよう……

2枚目:えーいもうどうにでもしてやれ……」

 

グウィリム・リーは自分のコーディネートと合わせてこんな投稿を……流石はグウィリー、ジョー・マッゼロをドン引きさせる男である(笑)。というかこの写真、涼しい顔してるベンハくんも、決め顔のルーシーちゃんも、ぱっぱら顔のアレン・リーチも、みんな何かツボでしかない

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マッゼロさんは授賞式前の一幕を公開。 ちょっとした別ショットもあったので合わせてご紹介。こういうお調子者ぶり、相変わらずなのでちょっと嬉しいし、最早この3人、お笑いトリオである。

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そして見事な三段落ち炸裂!(これ、筆者は自分でインスタのストーリーにシェアして、自分で10回くらい観ていた(笑))

 

何やかんやですっかりマッゼロさんのとりこになってしまった筆者だが、このキャストでもう1度集まるのが観たいので、是非リアルクイーンには続編の制作を考えていただきたいものである(あれ前と言ってることが違うぞ)。

 

 ——買うか〜これ……

 

190202追記)その後のボラプボーイズ

マッゼロさんがInstagramを更新して短編映画を公開。元々は"oneminutemen"というアカウントの企画のようで、最初の動画から一貫して出演しているセバスチャン・スタンウィル・マルナティと共演している。マッゼロさん、キャプションには「もし知らなかったらあれだから言っとくけど、実は乳糖不耐症なんだ」と書いてるけど、あれ、え……?!

 www.instagram.com"In case you didn’t know, I’m lactose intolerant. @oneminutemen #TheThirdMan @imsebastianstan @willmalnati #Milk - Part 1"

マッゼロさんは他にも、サンタバーバラ国際映画祭でプレゼンターとして登壇し、パフォーマー賞を受賞したラミ・マレックを紹介した様子。『ザ・パシフィック』での共演以来10年の仲のふたりだが、この映画を通じて更に絆が深まったようで素晴らしい話だと思う。

そしてこの感動的なスピーチをすなおさんが翻訳して字幕付きにしていらっしゃったのでシェア!

2/2はこちら☞すなお on Twitter: "(2/2)… "

 

190223追記:

www.instagram.comマッゼロさんがInstagramを更新してSAG賞の未公開ショットを公開。当日はお母様と一緒に参加されたようで、いい親孝行になった様子である……!

 

関連:映画賞 / 全米映画俳優組合賞 / アカデミー賞

*1:BAFTAはわりかしひねくれた賞で、時々イギリス人の島国根性が出て来て自国贔屓をするので、対抗馬に『女王陛下のお気に入り』のオリヴィア・コールマン(GG賞ミュージカル・コメディ部門受賞)がいる以上、個人的には当確を出せない

*2:この辺は会社の意向でなんとでもなるらしいのは既報の通り☞

news.yahoo.co.jp

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