ちいさなねずみが映画を語る

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ほれ見ろ!『ボヘミアン・ラプソディ』が受賞だぞ……?! - 大混戦ゴールデン・グローブ賞2019

 このブログの1番最初の記事でこうやって息巻いた。

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そんな筆者だが、流石に今回の結果は驚きに次ぐ驚きであった。どうせノミネートだけの泡沫候補だと思われていた『ボヘミアン・ラプソディ』が作品賞(しかもドラマ部門)と主演男優賞をかすめ取ってしまうし、最多受賞はあちこち割を食った結果『グリーンブック』になるし(ミュージカルコメディ部門作品賞、助演男優賞脚本賞)、大本命と思われていた『アリー/スター誕生』が主題歌賞のみの惨敗、『ブラッククランズマン』に至っては4部門ノミネートで受賞無しという結果だ。

ゴールデン・グローブ賞はオスカーの行方を占う上で最大の前哨戦だが、むしろちゃぶ台を返して賞レースの行方を混沌とさせた印象すらある。賞レースの行方は2日後にノミネート発表、2月10日に授賞式のBAFTA; 英国アカデミー賞へ委ねられたが、取り敢えずゴールデン・グローブ賞を振り返ってみたいと思う。

 

 

 

結果はざくっとこちらでどうぞ

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映画部門の前にさらっとテレビ部門を

GG賞は映画だけの賞ではなく、テレビ部門の表彰もある。受賞作のスタジオリストを眺めて気付いたのは、意外にBBCが躍進しているということだ。

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今年度司会も務めたサンドラ・オー助演女優賞に輝いた"Killing Eve"はBBC America制作。筆者が密かに推しており、ベン・ウィショー助演男優賞に輝いた "A Very English Scandal"(邦題くそださなので絶対言いたくない)*1アメリカでの配信の関係でAmazonプライム扱いになっているが、放送はBBC One。リチャード・マッデンがテレビドラマ部門主演男優賞に輝いた『ボディガード—守るべきもの—』"Bodyguard" もBBC One発のスマッシュヒット作だ。ここ数年イギリスのドラマはかなり元気だが、それを公共放送が引っ張っているというのは面白いと思う。

 

個人的に大混戦だった限定シリーズ部門男優賞は、筆者が推していた『エイリアニスト』"The Alienist"(Netflix配信中)のダニエル・ブリュール、『パトリック・メルローズ』"Patrick Melrose"(スターチャンネルで近日放送あり)で自ら制作も務めたベネディクト・カンバーバッチ、"A Very English Scandal"で久々に英国ドラマ界に返り咲いたヒュー・グラントの3氏を押さえ、『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』のダレン・クリスが獲得した。『アメリカン・クライム・ストーリー』と言えば、同じくFXで女優レディー・ガガを発掘した『アメリカン・ホラー・ストーリー』と並ぶ人気シリーズ*2アントニオ・バンデラスがノミネートされたナショナル・ジオグラフィックスの『ジーニアス:ピカソ』と並び、どれも名作揃いのようなので、どれから観ようか迷ってしまう。

 

オスカーの行方を混沌とさせた映画部門

問題はこっちである。最初に物議を醸さなそうな方から。功労賞とも言えるセシル・B・デミル賞ジェフ・ブリッジスが受賞した。毎年文句ない人選だと思うし、今年のブリッジスだって納得だ。何もここでキャリアが終わりなわけでもないし。

音楽部門 - 主題歌賞と作曲賞

主題歌賞は誰もが予想していた通り『アリー/スター誕生』の「シャロウ」"Shallow"。ケンドリック・ラマーが手掛けた『ブラックパンサー』の "All The Stars"も強かったのだが、やはりミュージカル映画の『アリー/スター誕生』の方に軍配が上がった。オスカーも有力候補だろう。

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作曲賞は昨年『シェイプ・オブ・ウォーター』で獲得したアレクサンドル・デスプラ(『犬ヶ島』)、『メリー・ポピンズ リターンズ』のマーク・シャイマンなどを押さえ、『ファースト・マン』のジャスティン・ハーウィッツが『ラ・ラ・ランド』('16)以来2年ぶりに受賞した。チャゼルがライアン・ゴズリングと再タッグを組んだ『ファースト・マン』は賞レースで苦戦しているだけに、ハーウィッツの作曲賞は何だか嬉しいものがある。ハーウィッツは元々チャゼルと大学の同級生だったが、このままスピルバーグジョン・ウィリアムズのように、息の長い共同制作を続けていってほしい。

 

キュアロンはやはり強かった - 外国語映画賞/長編映画監督賞

アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』が2冠の栄誉。Netflixで好評配信中だが、こういう作品が賞を取るのも新時代という感じがする。昨年獲得したギレルモ・デル・トロは同じくメキシコ出身の盟友で、大喜びだろうなと思ったら怒濤のリツイート祭りを繰り広げていた。

 

そもそもこの作品は、メキシコを舞台にスペイン語で作ってしまったがために外国語映画賞ノミネートになったようなものだ。キュアロンは既に『ゼロ・グラビティ』で高い評価を受けているし、この作品と『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のように英語作品も作る人物でもある。だから『万引き家族』とはちょっと訳が違う。強いものは強い。色んな人が「受賞ならず」とか記事を書きそうだがそうではない。

 

かと言って、『万引き家族』が弱かったわけでもない。あちこちで言われるように(?)話が暗いから落ちたわけでもない(むしろ過去作を見る限り、是枝監督は光の中の闇、闇の中の光を描くのが得意な印象がある)。『ROMA/ローマ』の舞台だって鬱屈としたメキシコの貧困層だ。ダークな作品や鬱映画も好きなオスカーとは違い、GG賞はもう少し明るい映画が好きな印象すらある。単にキュアロンがより評価されていて、より強いだけの話だ。

その証拠に、キュアロンは外国語映画賞作品にもかかわらず、大本命部門とも言える監督賞を押さえた。ジャンル分けの無い、この年1番の監督を決める部門を外国語映画が獲得したのはかなりの快挙だ。これはオスカーの監督賞も有力になってくる*3

 

ところで12月半ばに発表されたオスカーのショートリスト外国語映画賞に名前が挙がっており、『ROMA/ローマ』と『万引き家族』は共に最終候補作にランクインしている。GG賞ノミネートや賞レースの結果を考えても、この2作のノミネートは確実だと思う。個人的には、大本命部門の監督賞を押さえたことで、『ROMA/ローマ』がかなり有利になったと思うのだが、2008年の『おくりびと』(滝田洋二郎監督)以来の快挙になるかどうか、一縷の希望は残しておきたい*4

www.youtube.com - 東京国際映画祭 Tokyo International Film Festival公式より、日本向けトレイラー

 

マイノリティだなんて言わせない - 助演男優賞/助演女優賞

助演男優賞は『グリーンブック』"Green Book"のマハーシャラ・アリが獲得。オスカーに輝いた年の『ムーンライト』でも逃していた栄冠なので本人も嬉しいだろうと思う。この部門も、『ビューティフル・ボーイ』のティモシー・シャラメ、『ブラッククランズマン』のアダム・ドライバー(SWのカイロ・レンだ)、日本公開未定ながら大評価されている"Can You Ever Forgive Me?"のリチャード・E・グラント、そして昨年の受賞者サム・ロックウェル("Vice")という大混戦だった。

助演女優賞は、『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督の新作『ビール・ストリートの恋人たち』"If Beale Street Could Talk"よりレジーナ・キングが受賞。トリプル主演とも言われた『女王陛下のお気に入り』の2人(エマ・ストーンレイチェル・ワイズ)、今年の最多ノミネートを誇ったバイス』"Vice"のエイミー・アダムス、『ファースト・マン』のクレア・フォイという対抗馬を破っての受賞だ。

 

思い出されるのは、アリがオスカーを獲得した2017年のオスカーである。この年はヴァイオラ・デイヴィスも『フェンス』"Fences"で助演女優賞に輝いており、作品賞はトラブルの後『ムーンライト』に輝いた。最早黒人であるということは関係無くなってきている。

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今年の監督賞はメキシコ出身のアルフォンソ・キュアロンが獲得した。黒人もラテンアメリカ人も既に垣根が無いとすると、最後に残っているのは、アジア系である。今年やっと『クレイジー・リッチ!』"Crazy Rich Asians"*5が高評価を得て(作品賞と主演女優賞ノミネートだ)、サンドラ・オーがアジア系初の司会者を務めたが、アメリカでのアジア系の地位はまだまだ充分ではないと思う。そういう作品がもっともっと増えてほしいと願うばかりだ。

 

順当なミュージカル・コメディ部門、意外なドラマ部門 - 主演女優賞2部門

ミュージカル・コメディ部門は前評判通り(?)オリヴィア・コールマンが受賞した。ジュリー・アンドリュースからメリー・ポピンズを見事に引き継いだエミリー・ブラント、育児疲れで身体もぼろぼろな母親を熱演したシャーリーズ・セロン(『タリー』)を押さえての受賞だが、既にあちこちの映画賞で女優賞をかっさらっているので順当だなという印象だ。

 ——ジェイミー・フリーマンはマーティン・フリーマンのお兄ちゃんでミュージシャンだ

 

『アリー/スター誕生』のレディー・ガガがノミネートされて話題となったドラマ部門は、夫のゴーストライターを務めていた妻が、ノーベル文学賞獲得を機に窮地に立たされる『天才作家の妻 40年目の真実』"The Wife"よりグレン・クローズ*6。この部門は、ガガのノミネートの他にも、ニコール・キッドマンロザムンド・パイクという名優ふたりに加え、日本公開未定ながら評価の高い"Can You Ever Forgive Me?"からメリッサ・マッカーシーがノミネートされており、簡単には予想できないような状況だった。決してガガから盗まれたわけではない

 

 ——動画の最後でハグを交わしている相手は、盟友だというマイケル・ダグラス。本人も驚きの受賞だったようだ


さて、今回の結果により、オスカー主演女優賞の行方は更に混沌としてきた。題材がステュアート朝最後の女王ブランデー・ナンであることから、BAFTAはオリヴィア・コールマンが有力だと思われるが(拙ツイート)*7、このままオスカーと合わせてトリプル受賞となるだろうか。部門の別が無いBAFTAとオスカーでは、レディー・ガガ(『アリー/スター誕生』)以外のノミニーが誰になるのかという話もある。やっぱり今年はちょっと読み切れない。

 

ミュージカルコメディ部門

主演男優賞

何か1番平和に決まった気がしないでもないこの部門は、『バイス』"Vice"でチェイニーを演じたクリスチャン・ベールが獲得した。最多ノミネートを受け、ブッシュ時代のチェイニーの暗躍を描いたというこの作品は、ブッシュ役のサム・ロックウェル共々「え、誰?」というくらい本人に寄せた特殊メイクが光っている。そっかオスカーのメイクアップ賞も有力かな?

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言われてみればミュージカルコメディ部門は英国俳優同士が押さえた結果となった。このところ英国俳優の大活躍が止まらず、英国オタクとしては嬉しい限りである。カンバーバッチか誰かが言っていたが、やはり演劇学校という下地があるのは大きいと思う。彼らはみんな淘汰された上でメインストリームに出ているのだ。

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ところでこの部門には、最多受賞となった『グリーンブック』からヴィゴ・モーテンセン、この作品限りでの引退を表明している"The Old Man and the Gun"のロバート・レッドフォード、ローレル&ハーディ('30〜'50年代に活躍した米国のお笑いコンビ、Wikipedia)を題材にした『スタン&オリー』(原題)『僕たちのラストステージ』(190122邦題決定)からジョン・C・ライリー、『メリー・ポピンズ リターンズ』の新主役で『ハミルトン』でも高く評価されているリン=マニュエル・ミランダがノミネートされていた。ミランダ以外はコメディ映画、ミランダはミュージカル映画からのノミネートだが、やっぱりこのくくりも無理があるよなあ(笑)という気がする。そして、ラミ・マレックも、ブラッドリー・クーパーも、ここにノミネートされるんだとばっかり思ってたんだけどなあ!*8

作品賞 - 脚本賞も受賞で最多受賞の栄誉、『グリーンブック』

作品賞はヴェネツィアで審査員大賞を獲得していた『女王陛下のお気に入り』などを押さえ、トロント国際映画祭で観客賞を受賞していた『グリーンブック』が脚本賞と合わせて受賞。有力と思われていた作品があちこち受賞を逃したことで、映画部門の最多受賞の栄誉を獲得した。

作品は『メリーに首ったけ』『愛しのローズマリー』などを手掛けたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリーが手掛けている。南部での黒人差別が強い時代に、用心棒を雇って演奏旅行に出掛けた黒人ピアニスト、ドン・シャーリーの実話を描く。同じような話ではオスカー作品賞に輝いた『それでも夜は明ける』"12 Years A Slave"('13)が思い出されるが*9、オスカーではどのような結果になるだろうか。

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その他のノミネート作は、『女王陛下のお気に入り』、『メリー・ポピンズ リターンズ』、『バイス』、そして『クレイジー・リッチ!』。黒人映画がきちんと評価されることはここ数年の賞レースで明らかになってきたが、アジア人映画もそれに続いてほしいと思うし、そういった未来に希望を抱かせるノミネートだったと思う。

 

大穴も大穴、なんちゅうこった - ドラマ部門打率100%の『ボヘミアン・ラプソディ

——虫の知らせか?*10

 

大穴も大穴である。最初にあれだけ息巻いた記事を書いた筆者でも、流石に2年前の『デッドプール』と同じネタ候補だと思っていた。その理由は主にこれである。

『スター誕生』のブラッドリー・クーパーは、確かにリメイク作品ではあるのだが、監督や脚本もこなし、初めて制作側に立った作品であれだけのものを作り上げたと前評判が高かった。更にボビーを演じるサム・エリオットに寄せるため、低い声を出せるようにトレーニングを重ね、役者としてのイメージを一新した形でこの映画に取り組んだのである。そして音楽は、レディー・ガガと共に共作者を集め、『ラ・ヴィー・アン・ローズ』を除いて全て自作した。いくらリメイクとはいえ、差し引いて考えられるものはかなり小さかったはずだ。

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筆者が予め推していた『ブラッククランズマン』は、スパイク・リーが送る新作で、デンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントンがノミネートされていた。既に作品自体の評価が高く、ここ数年黒人映画には追い風が吹いているので、もしかしたらぽろっと受賞するかもと考えていたのである。

惜しくも受賞とならなかったウィレム・デフォーは、『フロリダ・プロジェクト』('17)での助演男優賞ノミネートに続き、2年連続の演技賞ノミネートであった。ゴッホの人生を描いた『永遠の門 ゴッホの見た未来』は、比較的早くに日本公開が決まった印象があるほか、ヴェネツィアで男優賞を獲得していた。勿論名優なのは承知だが、題材があまりハリウッド好みでない気がしていて、予想から外していたという事情がある。

ルーカス・ヘッジズがノミネートされた"Boy Erased"は、ニコール・キッドマン演じる母親が、息子の同性愛を「矯正」しようと画策する話である。ヘッジズは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、『スリー・ビルボード』、『レディ・バード』と話題作に立て続けに出演しており、今後が期待される若手俳優の一角だと思う。

 

そういう目でボラプを見てみると、社会派作品と芸術作品が並び立つ中、ひとつだけファミリー映画という異質感がある。確かにラミ・マレックの演技はとても良かった。キャスト記事で書いたように、「フレディを上手くこの世に呼び戻したようなところがあった」。でもやっぱり、この映画の高揚感が好きだからこそ、冷静になって引き算をせずにはいられなかったのである。 

やっぱりあの映画は、フレディを中心に据えたがために、色々なものを切り捨てている。そしてフレディが偉大すぎる故に、あの尺に収まりきっていない部分も沢山ある。そして、クイーンの曲、またフレディの人生が持つカリスマ性に、多くを頼っていたことも確かだろう。好きだからこそ、筆者には大手を振って推せなかったのだ。

 

それでも今回のドラマ部門2部門制覇により、この映画はオスカー有力候補に躍り出たことになる。批評家にあれだけめためたに言われ、監督は途中降板し、完成まで10年かかった泥沼映画が、今やゴールデン・グローブを制した有力候補である。日本では公開9週目にして再び興収第1位に返り咲いたというが、このヒットは、クリスマスシーズンにかけて9週連続チャートトップという記録を作った*11本家『ボヘミアン・ラプソディ』の影さえちらつくほどだ。音楽映画だしそこそこヒットしているので録音賞・音響賞のノミネートくらいはあるかなと考えていたが、ここまで来たら行く所まで行ってほしいと思う。

 ——本心(小声)

 

マレックのスピーチ

マレックはスピーチの最後にフレディ・マーキュリーへの讃辞を述べた。この映画のコピーにもなっていた通り、「彼らの音楽より偉大なのは、唯一彼の物語だけ」だったのだ("The only thing more extraordinary than their music is His story.")。uDiscoverMusicにて全文訳が公開されているので読んでいただきたい。

そして、もちろんクイーンにも。

ブライアン・メイロジャー・テイラーに。お二人は音楽や世界観全体を確実なものとしてくれました。そして私たち全員、フレディ・マーキュリーに感謝します。あなたは私の人生に喜びを与えてくれました。愛しています、美しいあなたを。この受賞はゴージャスなあなたがいてくれたからです。

 ——2019年1月6日、ゴールデン・グローブ賞授賞式にてラミ・マレック (uDiscoverMusicの記事より引用)

www.udiscovermusic.jp - このスピーチの中でマレックは共演者がタックルしてお祝いしてきそうだけど交わすね探し出してタックルするね、と述べていた

 

 

——「誰も僕からこのトロフィー奪えないよ」(笑)

 

エジプト系アメリカ人であるマレックの受賞により、助演賞の2名と合わせ(アリとキング)、今年は演技6部門のうち半分をヨーロッパ系でない人物が占めることになった。ハリウッドキャリアの長いクリスチャン・ベールはさておいても、英国女優のコールマンがイギリスを舞台にした作品で主演女優賞を獲ったのは大きなことだろう。そして大混戦のドラマ部門女優賞を押さえたのは、大ベテラン女優グレン・クローズ。近年稀に見るバラエティぶりとなったが、ハリウッドが「良い物は良い」と言えるようになったということで嬉しくもある。

 

 ところで1枚目のルーシーちゃん可愛すぎん?

——マッゼロさんの投稿はこれ。グウィリムさんがこれ。メイおじいちゃんがこれ孫ラミときゃっきゃしてるおじいちゃんもあり。授賞式前のロジャーおじいちゃんがこれで授賞式後がこれ*12

 

オフショット

この1年の映画とドラマを総括する賞であるから、当然オフショットだって華々しい。ハリウッド・レポーターの記事にかなりまとまっている。今年の映画を賑わせたふたつの音楽映画から、フレディ役のラミ・マレックと、アリー役のレディー・ガガが出席し、言葉を交わしているのは嬉しくもある。また一方のブラッドリー・クーパーは、ジュリー・アンドリュース版の『メリー・ポピンズ』でメリーの良き友バートを演じたディック・ヴァン・ダイクを見つけて、素早く駆け寄っていた*13。こういう繋がりが見られるのこそ映画賞の良さである。

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『ビッグバン・セオリー』(ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則)でペニーを演じるケイリー・クオコは、ジョニー・ガレッキ、ジム・パーソンズとのオフショットを公開。惜しまれつつ最終シーズンを迎えているこの作品だが、3人揃った写真が公開されるとやはり嬉しいものがある。

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そして遂にボラプボーイズ大集合! プレスツアーの終点となった日本では、撮影スケジュールの遅れでベン・ハーディが欠席したので、久々の集結である。オスカーでもこの4人+ルーシーちゃんが見られますようにと思う限りだ。

 ——(「ちゃんと厚みがある」で笑った)

——※グウィリム・リーが投稿したこのラブラブ写真に、マッゼロさんから"I "liked" this, but I really hate it."というコメントが付いていた

 

関連:映画賞 / ゴールデン・グローブ賞 / オスカー前哨戦

 

*1:くそださな邦題はこれです☞ヒュー・グラント主演「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」 - WOWOWオンライン

*2:ガガはこのシリーズの「ホテル」でゴールデン・グローブ賞を獲得している。今回の主題歌賞が初めてではないのだ☞

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*3:GG賞でノミネートされていたのは『アリー/スター誕生』で初監督が話題となったブラッドリー・クーパー、最多3部門受賞となった『グリーンブック』のピーター・ファレリー、最多ノミネートを誇った『バイス』のアダム・マッケイ、アカデミー名誉賞も受賞している黒人監督の雄スパイク・リー(『ブラッククランズマン』)。これにノミネート漏れした『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス、『ビール・ストリートの恋人たち』で脚本も評価されたバリー・ジェンキンス辺りがオスカーノミネートの有力候補だ。最年少受賞記録を持つデイミアン・チャゼルは、『ファースト・マン』の賞レース結果を見ている限り少し厳しいと思われる

*4:そう言えば『万引き家族』について、ああいう作品が賞レースで善戦することは日本の恥だみたいなことを言う人間が散見されるように思うのだが、ワーキングプアの問題は先進国共通だからそんなことはない。むしろ、そういう題材だからこそ世界中で評価されているという理由がある。『ROMA/ローマ』だって同じだろう

*5:どうして邦題は「アジアンズ」を削ったか分からないのだが……

*6:予告編はこちら☞

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*7:BAFTAの英国映画賞も、『ボヘミアン・ラプソディ』というよりは何となく『女王陛下のお気に入り』な気がしてならない

*8:この辺は配給会社がどうプッシュするかというのも大きいらしい。確かにこの記事で指摘されているように、ドラマ部門の作品賞を受賞する方がオスカーに近い気がする……のだが今年は……

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*9:チュイテル・イジョフォーが演じたソロモン・ノーサップは、ニューヨーク州出身の自由黒人でヴァイオリニストとして生計を立てていたが、ある日誘拐されて12年もの間奴隷生活を送ることになる(Wikipedia)。この人生を映画化したのが『それでも夜は明ける』だが、当時このような悪事は横行しており、ノーサップのように生きて帰還できた人物はほんの一握りだったという

*10:ご存じの通り『キラー・クイーン』の歌い出しは"She keeps Moët et Chandon in her pretty cabinet"

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*11:オフィシャルチャーツカンパニーの統計はこちら☞bohemian rhapsody | full Official Chart History | Official Charts Company

*12:ていうかクイーンのメンバーがゴールデン・グローブ賞の席に座ってるなんて誰が考えたでしょうか……

*13:因みに2月公開の『メリー・ポピンズ リターンズ』で彼の役に相当するのは、リン・マニュエル・ミランダ演じるジャック(実際にはバートの弟子のようだ)。ヴァン・ダイク自身もカメオ出演しているらしいので要チェックだ

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