ちいさなねずみが映画を語る

すきなものを好きなだけ、観たものを観ただけ—

サイモン・ペグとクリスマスに贈る映画『アナと世界の終わり』小ネタ集

先日『アナと世界の終わり』"Anna And The Apocalypse"('17)を観てきた。ネタバレ回避のあまり砂を噛むようになってしまった紹介記事で、筆者はこの作品についてこんな風に紹介しながら、ライアン・ゴスリングへの偏愛だけ解説して残りふたつは放置してしまった。これも何も、『アナと世界の終わり』の制作陣があまりにゾンビ映画好きで、「誰がそんなところまで拾うねん」という細かいネタまで盛り込んでいたことにあるのだが……

そう言えばこの作品、ある雑誌では「『ショーン・オブ・ザ・デッド』meets『ラ・ラ・ランド』」と評されていたが、全編にわたって溢れていたのは、クリスマス、『ショーン・オブ・ザ・デッド』の小ネタ、そしてライアン・ゴスリングへの偏愛だった……

ライアン・ゴズリングは死んでてもイケてるぜ - 映画『アナと世界の終わり』 - ちいさなねずみが映画を語る

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……というわけで、今回の記事では『ショーン・オブ・ザ・デッド』のネタバレ全開に、『アナと世界の終わり』の小ネタ集を大特集! みんなジェネオン版ディスクを用意して*1突撃だー!

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※この先は『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『アナと世界の終わり』のネタバレを許容する皆さんだけお進み下さい※

 

そう言えば『アナと世界の終わり』って、どう見ても「アナ雪」のぱくりっぽい邦題なのに、実はこっちの方が原題に忠実って面白いよね……("Anna and The Apocalypse"と"Frozen")。

 

*1:何故ジェネオン版を指定するかというと、現在発売中のKADOKAWA版は、ジェネオン版にたっぷり収録されていた特典があらかたカットされてしまっているのだ……

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ライアン・ゴズリングは死んでてもイケてるぜ - 映画『アナと世界の終わり』

のっけから訳分からないことを、と思われるかもしれないが、取り敢えず読み進めてほしい。

 

アナと世界の終わり』"Anna And The Apocalypse"('17) を観てきた。THE RIVERで予告編の公開が記事になった時から楽しみにしていた一作。5月末の日本公開決定後も、なかなか杜の都での公開が決まらずに鬱々としていたが、この度ようやく封切られたのでレビューをお届けする。ちなみに仙台の公開館、チネ・ラヴィータでは7月12日から2週間の限定公開とのことなので、気になる方はお早めに! (とか言いながら書く時間が無くて放置している間に最終日が迫っているけれど、気にしない気にしない!)

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そう言えばこの作品、ある雑誌では「『ショーン・オブ・ザ・デッド』meets『ラ・ラ・ランド』」と評されていたが、全編にわたって溢れていたのは、クリスマス、『ショーン・オブ・ザ・デッド』の小ネタ、そしてライアン・ゴスリングへの偏愛だった……*1

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※この記事ではナチュラルに『ショーン・オブ・ザ・デッド』のネタバレを含む可能性がありますので未見の方はご注意下さい※

 

 

*1:人口に膾炙してるからタイトルは「ゴリング」にしたけど、本当の発音は「ゴリング」らしいから、一応ここから下では「ス」で統一しておこうと思う

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人間ニール・アームストロングの苦悩に焦点を当てた静かな作品 - 映画『ファースト・マン』

1969年7月20日20時17分 (UTC)。NASAによる月面探査・アポロ計画において、ニール・アームストロングとバズ・オルドリンの2名を乗せたアポロ11号の着陸船「イーグル」が月面に着陸した時間である。今年はつまり、この歴史的なミッションから50年という節目の年だ。

 

そんな今年、このミッションの裏側に迫るひとつの作品が日本で劇場公開された。作品の名は『ファースト・マン』"First Man"。『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリングが再タッグを組んだことでも話題となり、ヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映されたときにはアーリー・レビュー*1で数多の絶賛を叩き出した。ところが、アポロ11号の偉業を讃える内容を期待していた一部のアメリカ国民からは不興を買い、北米興収は多少の伸び悩みを見せることになる*2昨年が強者揃いの映画賞シーズンであったこともあるが、その後の映画賞の結果も芳しいものではなく、チャゼルは長編映画の監督3作品目にしてちょっとした躓きを残してしまうことになった。

 

しかしながら、この作品を制作情報の段階から心待ちにしており、公開直後に劇場へ足を運んだ筆者にしてみれば、「作品の焦点はチャゼル作品として当然のものであり、その描き方も決して批判されるべきものではない」というのが主な感想だ。確かにアポロ11号へ至る数多のNASAによる計画をはしょって描いたきらいはあるが、この作品の主眼はアームストロングの苦悩にあるのだから、切り捨ててしまってもよい視点なのかもしれないとは思う。というわけで、今回はアポロ11号打ち上げ50周年の節目として、『ファースト・マン』を取り上げてみたい。

www.youtube.com - ディスクは7月3日に発売されたようで何ともタイムリ

 
!!! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! !!!
※本記事では、マーキュリー・ジェミニアポロ計画の内容として歴史的に広く知られていることのみに触れるようなるべく配慮しますが、新鮮な気持ちで映画を観劇したい方はご注意ください。またラストのアームストロングの行動について触れる部分があります※

*1:Early Review。一般の上映に先立って観劇した批評家が出す映画評のこと

*2:因みに現在のところ、Rotten Tomatoesの評価は批評家87%支持・一般観衆67%支持(2019年7月13日現在)。Metacriticでは批評家スコア84点/100点の必見映画、一般観衆スコア7.4点/10点(2019年7月13日現在)。

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悲喜こもごも? 『MILK』とカードボード・ベン新作祭り - 何度目だボラプボーイズ

忘れた頃にやってくる、それが「ヤツら」である。

 

映画賞シーズンから早半年。1年も折り返しを過ぎ、次の映画賞シーズンに向けた動きが色々と聞こえてくるはずの時期だが(実際デクスター・フレッチャー監督*1の『ロケットマン』が好評スタートを切ったと話題になっている様子)、未だに『ボヘミアン・ラプソディ』賞レースの仲良しぶりを引き摺って(?)いるのがあのボラプボーイズだ。7月4日のアメリカ独立記念日前後に、そんな彼らの相変わらずな仲良しぶりが投稿されていたので、是非ご覧いただきたい。

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  • 待望のMILK続編……?
    • こちらはかっこいいマルナティ
  • そんなマッゼロさんは尻目に……リーとハーディのフランス旅行
    • 【悲報】カードボード・ベン、まさかの展開
    • 190720更新) このふたりだって負けてないぜ
  • 190730追記) 喜びの余り叱られるマッゼロさん
  • おしまい

 

*1:みんな知ってると思うけど、ブライアン・シンガーがすったもんだで降板した後、『ボヘミアン・ラプソディ』を完成に導いた後任監督。そう言えば彼の監督就任は『ロケットマン』の製作総指揮も務めるマシュー・ヴォーン(『キングズマン』『キック・アス』など)の強い後押しあってこそだった(THE RIVER)。

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どん底のダブリンから羽ばたく珠玉のアオハル映画 - 『シング・ストリート 未来へのうた』

厨二病? そう呼びたいならそう呼べよ」そう言わんばかりに筆者の中で燦然と輝く傑作作品がある。その映画の名前は、2016年公開の『シング・ストリート 未来へのうた』"Sing Street" だ。ジョン・カーニー監督が、自らが青春時代を過ごした1985年のダブリンを舞台に、バンド活動を通して様々な意味でもがきながら成長していく少年たちを描いている。筆者にとって映画館で観たことを誇れる作品のひとつだが、この度ちょっとした上映会を開くことになったので、そのために書き下ろしたしおりの内容を公開したいと思う。(今回の記事はネタバレフリー!)

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「生理痛は我慢しろ」なんてまだ言ってるの?

このブログだって時には真面目なことを書く。大体2、3ヶ月に一度くらい真面目なことを書く計算でいるようだ。決してマッゼロさんとかポール・ラッドおじさんとかまーてぃん・ましゅまろ・へっじほっぐ・ふりーまん氏を崇めているだけのサイトではないのである。

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……で、今回取り上げるのは月経のある女性を一定確率で悩ませるあれである。俗に言う「生理痛」、医学用語で言うと「月経困難症」である。「結構辛いけど何とか我慢している」「薬を飲むべきかどうか迷っている」という人にこそ読んでほしい。——その生理痛、ひとりじゃないし我慢しなくてもいいんだよ!

 

※この記事は啓発記事であり、特定の治療・薬を勧奨するものではありません。治療選択においては医師・薬剤師とよく相談し、正しい知識を付けた上でご判断ください。記事内で取り上げた薬にはOTCとして購入できるものもありますが、予め医師の診察を受けることをお勧め致します※
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DEN社をめぐる顛末 - 『アトランティック』ブライアン・シンガー訴追記事その2

本日は『アトランティック』誌; The Atlantic で掲載されたブライアン・シンガー監督訴追記事特集の第3弾だ。前提整理した第1弾記事の半分少し手前程度まで扱った第2弾に引き続いてお送りする。申し訳無いことに続きを書く書く詐欺で実に4ヶ月放置していたのだが、筆者自身も過去の記事を読み返しながら進めていきたいと思う。

www.theatlantic.com - 『アトランティック』の訴追記事はこちら

mice-cinemanami.hatenablog.com - 第2弾

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