ちいさなねずみが映画を語る

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仙台謎解きウォークやってきました (佐藤健/神木隆之介プロデュース)

平日にお休みをいただいたので、仙台謎解きウォーク、やってきました。佐藤健神木隆之介両名がプロデュースで、RIDDLER・松丸亮吾プレゼンツの問題で構成されています。3・4月の2ヶ月間開催される予定ですが、「やってみたいな〜でもどうなのかな〜」と思っている人向けに、ネタバレない程度のレビューを出そうと思います。

machi-ni-negaiwo.jp

 

はじめに:謎解きラリー自体は初めてではない

仙台市内を舞台にした謎解きラリー自体は初めてではありません。地下鉄東西線が開業した後、仙台市交通局主催で仙台市地下鉄(南北線東西線)の沿線を舞台にした謎解きラリーが実施された前例があります(しかも1度ではない)。地下鉄の改札で冊子を回収して、ネットの海に転がっている写真から安楽椅子探偵をしようと粘っていたのを思い出します(☜企画倒れなので真似しちゃダメ)。

www.kotsu.city.sendai.jp

交通局タイアップだったことから、以前の謎解きラリーでは地下鉄乗車が前提になっており、開催に合わせて仙台市地下鉄・一日乗車券の宣伝も打たれていました。善良な一般仙台市民らしく、仙台という街は好きでも仙台市は好きでないので*1、「地下鉄に乗ってあちこち移動させられたらどうしよう*2と思いつつ、でもやりたいな、どうしようかな、でもやもやしていました。

 

結論から言うと、今回の謎解きウォークに一日乗車券は必要ありません。全部てくてく歩ける範囲で完結します。またネタバレ防止で公式サイトにはエリア記載がありませんが、基本的には、いわゆる「仙台市中心部」と言われるエリアで完結します。普段から仙台駅〜北四番丁付近の街中エリアをてくてく歩いている人ならば、苦もない範囲でしょう。トータルで歩く距離は5〜6kmほどかなと思います*3

 

ラリーの始め方と難易度と所要時間

Q. スマートフォンは必要ですか?

 A. インターネットに繋がるスマートフォンとLINEアプリが必要です。 バッテリーには十分ご注意の上、ご参加ください。

Q. 当日券はどこで購入できますか?
 A. ローソンチケット(全国のローソンまたはミニストップ)で購入可能です。上限に達した日程は完売となりますので、ご注意ください。スタート受付(キット引き換え場所)での販売はございません。 ——仙台謎解きウォーク 街に願いを【公式】|佐藤健&神木隆之介プロデュース FAQ (22-03-06参照)

チケットは事前にローソンチケットでの購入が必要です。Loppi専用コードは「25550」(ローチケ公式より)。一般チケットは¥3,900、特製フォンタブ付きは¥5,900で、店頭購入でも追加で発券料¥110が必要です*4。各日定員があるようですが、平日は比較的空いているような印象を受けました(少なくともチケットの枚数的にはがらがらでした)。一方で、謎解きの舞台である市中心部には、COVID-19前の賑わいが戻りつつあるので、可能ならば祝日や土日の謎解きは避けた方がよさそうです。少なくとも1st missionは激混みの中になりそう。

 

ラリーの準備品として必要なのは、LINEがインストールされたスマートフォンと、ローチケで事前発券したチケット。仙台駅2階の仙台市観光情報センター(びゅうプラザ)でキットを受け取り、冊子を元に公式LINEとチャットしながら謎解きを進めていきます。因みに仙台駅付近にはローソン/ミニストップとも少ないので、可能ならば自宅近くの店舗でチケットを発券していくのがよいでしょう。データ使用量としては大体100MBくらいでした*5

筆記用具としてはキットの中にpegcilが入っており準備は不要です。薄い冊子なので、欲しい人はA5のクリップボードがあってもよいかもしれません。記載はありませんが、イヤフォン🎧もあるとよいと思います。あと1番大事なのは歩きやすい靴です。筆者もよく歩いちゃう距離ではありますが、距離としてはそれなりです。

 

難易度としては「やや易しい」を目指している印象を受けました。人混みの中で謎解きすることも想定してか、がんがんヒントの利用が可能です。ヒントを活用して、少し離れた場所で謎を解くこともできます。祝日や土日などのプレイで、謎解き場所が混雑している場合は、ヒントをがんがん活用しましょう。勿論、謎解きのしかたが分からない時もがんがんに利用すべし……!

——好天で何よりでした〜(1st missionで撮ればよかった写真)

所要時間としては、公式サイトだと3〜5時間を想定しているようです。初日の参加者は2〜8時間のクリア時間だった様子(河北新報)。舞台となる施設の運営時間の問題で、プレイ時間は9〜17時となっていますが、よく読むと3日間の制限時間内ならば日を跨いでの謎解きも可能です(但し、4月末のGW中は制限時間1日)。券面の日付にキットだけ受け取っておいて別日に解くもあり、仕事や観光の合間にちまちま解くもありと思います。

因みに筆者の実測プレイ時間はこんな感じで、トータルでは2時間くらいでした。謎解きや脱出ゲームに慣れている人ならばかなりさくさくとクリアできるのではないでしょうか。恐らく土地勘+謎解き力があるとやたら早くゴールできます。ちなみに完全クリア(お題EXもクリア)には、4th mission終了前にヒントを得ておく必要があります(終了するとヒント獲得不能)。

  • オープニング〜1st mission:移動込み約20分
  • 2nd mission:移動込み約25分
  • 3rd mission:移動込み約30分
  • 4th mission:ラリーで30分+最後の謎解きで10分→40分相当

 

ラリー自体のレビュー

発券したチケットを握りしめて、仙台駅2階の仙台市観光情報センター(びゅうプラザ)へ。新幹線改札から1階降り、JR在来線の中央改札を尻目に、北側のエスパル/パルコ方面に向かう途中であるあそこです。チケットを見せると、トートバッグ入りのキットを渡されます。(因みに、キットの引換はチケットに書かれた「参加日」しかできないそう)。A4くらい入りそうなバッグですが、中の問題冊子はA5サイズくらい。説明書と全4問の封筒があり、封筒内にはそれぞれ問題冊子と鍵になる写真が入っています。

キットの中身(一部画像を編集しています)

まずは、解説書にあるQRコードから、ラリーの公式LINEである「時空よろず屋ポータル」と友だちになります。問題の答えを入力する時以外は、チャットは自動で進みます。4問とも、冊子に沿って謎解きを行い、同封された写真の場所を特定するのがミッション*6。特定した場所で撮影した写真を公式LINEに送ると(というよりチャット画面から直接カメラを起動した方が早い)、正解かどうか照合してくれます。

因みに、写真4枚は、土地勘があれば場所自体はすぐ特定できる印象です。それだとつまんないので全ての謎を解きましたが、その上で上記の時間なので、謎解きマニアならばそれなりさくさく解き進められることでしょう。

 

またこのラリーにおいて、ノーヒントで全ての謎を解くのは不可能と思われます。4題は独立しているように見えますが、、、(おっとこれ以上は)。ヒントの使用に関しては悔しがらずにがんがん行きましょう。ヒントが手厚いのも、ラリー参加者で街中が混雑しないように、という配慮なのだろうと思います。周囲が混雑している時は特に沢山使いましょう(特に1st mission:混雑時用として、謎解きに必要なものの写真を送ってくれます)。

 

1st mission:仙台駅〜

テストプレイ動画でも明かされていますが、最初の謎は仙台駅周辺。駅の周囲のランドマークを使って謎解きするやつ、見たことあるぞ!(☞先述のWE QUEST)。クエストの起点に近いこともあり、鍵となる場所には大勢が固まっていました。筆者はめんどくさいので、チャットで謎解きの鍵を送ってもらうことに。

最後の写真を撮るところで若干位置を間違いましたが、謎自体はそこまで難しくもなくクリア。「あーこれどこを鍵に画像認識しているのだろうか」と余計なことを考えて2nd missionへ。

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2nd mission

2nd missionより先は比較的商店街ウォークが多い印象でした。どの問題も、前の問題の終着地点近くから次の問題が始まるので、自然とてくてく歩いて行く構図になり、よく練られているなあと思いました。2nd mission以降では、1題ごとに大体500mごと歩くような計算です。

 

これは土地勘の話だと思いますが、謎解きの鍵になる建物やオブジェクトは、直近で入れ替わったものでなく、全国チェーンでなくて、長くあるものか老舗かのどちらか、と思うと、割と絞りやすいのかなと感じました。これは今回の謎解きウォークに限らず、地方自治体の謎解きラリーでよくある傾向だと思います。

写真の場所は仙台市民なら大抵が知っている有名スポットなので、場所としてはすぐ分かりつつも、全ての謎を解きながら現場へ。因みに全て解かなくても、場所が分かった時点で写真を送って大丈夫です(4th missionも同じ)。つまんないので全て解きますけど!

 

3rd mission

先程イヤフォンの準備が、と書きましたが、この問題で音声出題が出るためです。公式で「よく聞き取れない人のために」として文字起こしもありますが、折角ならば音声を聞いた方がよいです!!!!!筆者は出てくると思わなかった登場人物で爆笑しました。そうか〜この人が主人公だからこの人なのか〜。

www.youtube.com

 

新たなスタイルの出題なので練習問題を、という流れで、さらっと次の場所まで移動させるのが本当に上手い。よく練られています。ゴール地点は謎解きラリーのクイズが沢山作れそうなランドマークでしたが、意外にさらっと進んで終了。でも、名前は有名でも成り立ちは意外にみんな知らないので、終わり方としてはよい問題でした。

 

4th mission

4th missionは再び商店街ウォーク。コンセプトを書くと完全にネタバレですが、ぎりぎりで言うとこれまでのラリーコンセプトを回収している印象。お題を全て解かずとも最後の謎に辿り着くことはできます。なお、お題の完全クリアにはヒントが必要です*7

ちなみに前にも書きましたが、お題EXのクリアには、4th mission終了前にヒントを得ておく必要があるようです(その他のお題を探している間には「まだです」とメッセージが出る)。筆者は出し忘れてかなり力業で最後に解きました。ヒント無しでも解けるという傍証ですが。

 

4th missionは最後の謎でもあることから、エンディングに繋がる形で2段構えになっています。冊子にも「カフェなどでゆっくり解いてね」とあったので大人しくおやつタイム。さくさく解き過ぎて途中もぐもぐタイムを全く挟まなかったことに気付く謎解きフリークの図です。謎を解き終わると最終目的地が明らかになります! ここまでの伏線が回収され、仙台の様々な復興が思い起こされる展開です(そう言えば復興支援だった)。

最終目的地の窓口で記念品をもらってラリーはおしまい。実は最終目的地のすぐそばにもカフェがあったので、そこで謎解きでも良かったなとは思いましたが、謎を解く前は場所が分からないのでしょうがない。……あれえ、この記念品、何か見たことある構図ですね。(※因みにネタバレになる記念品は隠してあります)

クリア記念品(の一部)、これは表に出して良さそうなもの

おしまい

今回の謎解きウォークを手掛けた佐藤健神木隆之介両名が復興後の宮城県を旅して撮った写真集『みやぎから、』がNHK出版より発売されています。

 

今回のラリーは、現代のランドマークを回っているように見せて、古い建物や昔の歴史に思いを馳せる展開だったのが地元民として高評価ポイントでした。そんな仙台の歴史について知りたい人は、こちらの本もどうぞ〜。

せんだい歴史の窓 (河北選書)

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関係無いけど好きなので置いとくね。

 

関連:仙台謎解きウォーク 街に願いを / 佐藤健 / 神木隆之介 / 松丸亮吾 / サンドウィッチマン / 伊達武将隊

*1:ほんとこの辺仙台市民は屈折してますよね、出身どこですか、と聞かれると「仙台」と答えるし、仙台にずっと住み続けたいと願ってしまうほど愛しているのに、仙台"市"というハコは何か好きじゃないし期待してないんですよ

*2:仙台市地下鉄は「日本一高い運賃」と言われるほど運賃がクソ、そのくせ全く健全経営できておらず、交通局はずっと赤字を計上している

*3:筆者の場合ラリー途中に無駄な移動が挟まっているので、適当な概算です

*4:割と高いが、その分デザインやラリーの内容には工夫を感じた。

*5:ネタバレ:途中ボイスメッセージ・動画があります

*6:写真は一部マスクがかかっていて全景は分からないようになっています

*7:ネタバレ:ヒントがないとそれを活用するのか分からないため

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