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アシェットの『はじめての刺し子』を買ってみました

突然ですがタイトル通りアシェットの『はじめての刺し子』創刊号を買ってみました。元々手先の作業が好きなのと、ちくちく刺し子をするのに興味があったので(正確には昔1度やったことがあってまたやりたかったので)、手慰みにチャレンジしてみようと思ったのです。創刊号299円だし(2号目からは¥1,599)。

はじめての刺し子 1 -創刊-(1) 2021年 2/10 号 [雑誌]

はじめての刺し子 1 -創刊-(1) 2021年 2/10 号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/01/27
  • メディア: 雑誌
 

 

結論から言うと、このマガジンの評価は、マガジンの中身◎・刺し子キット△です。発案者、自分でほんと刺してみたのかな??????

 

 

マガジンの中身◎

この後キットについてはメタクソにしますが、マガジンの読み物部分は凄く良いです。創刊号の冒頭にある「スタートガイド」では、本当の初心者でも上手く刺せるよう基本的な刺し方を丁寧に図解しています。加えて刺し子の歴史に関する読み物や(続き物なので分量は少なめですがしょうがない)、付録のマルチカバーとは別に図案をひとつ紹介しているなど、分量としては充分だと思います。全80号の最後までこの分量が続くかどうかは分かりませんが。中身は転載になってしまうので、気になる方は本屋さんでぱらぱらめくってみてくださいね。公式サイトでも少し覗き見できます。

hcj.jp

 

刺し子キット△

やはり付録がやりたくて買ったのですが、いざやってみるとこりゃダメだなという感じでした。良かったら続きも買おうかなとは思っていましたが、これなら市販の刺し子本を買って、自分で図案を写してちくちくやった方が良さそうです。作れる付録はマルチカバーと刺し子小物の2種類で、毎号マルチカバー用の布と刺し子糸付いてくるのと、刺し子小物用の材料が数号に分けて届くようです。

また創刊号だけ針とチャコペンが付いています。筆者は自分の慣れた裁縫道具を使ってしまいましたが、マガジンだけでも始められる親切設計のようですね。ただし針はビニール袋に入った状態で来るので、ピンクッションや針山くらいは自分で用意した方が良いとは思います。

 

  続く  ☞  ☞  ☞

 

刺し子小物:こぎん刺しのがま口

ネットで色々見ていたら「1号でがま口は完成しないんかい!」と言われていましたが、まあそれは続き物あるあるなのでしょうがないとは思います。創刊号に入っているのはがま口の表布となる赤い布だけで、型紙を写すところまでしか進みません。どうやら第2号で表布にこぎん刺しを行い、第3号で裏布を付けて、第4号でがま口の口を付けて完成のようです。がま口の口は第4号に付いてきます。

 

創刊号にもちらっと書いてありますが、こぎん布は縁が大変ほつれやすく、ちょっと動かすだけでもぽろぽろ脇からほつれた糸が落ちてきてしまいます。創刊号の手順にも縁をまつっておきましょうとありましたが、それがよさそうですね。

 

筆者は後述するマルチカバーに辟易してしまったので、このがま口は手芸店で材料を揃えて自作してしまうことにしました。裏布として適当な布を買って(こんな感じのを発注しました↓)、がま口の口金も後で探してこようと思います。こぎん刺しの目自体は、マガジンに写真も載っていますし、ネットで無料の図柄が転がっているので、何とかなるかな……と思っています。多少の経験があってよかった。

 

刺し子マルチカバー:△どころか……

問題なのはこれですこれ。発案者はこのマルチカバー刺してみたんでしょうか。

 

マルチカバーは毎号毎号付録として付いてきて、全80号で80種類の刺し子が学べ、最終的にそれらを繋げてマルチカバーを作れる、というもののようです。創刊号には図案がプリントされた紺色の布と白い刺し子糸が封入されており、七宝繋ぎが学べるようになっていました。付録として付いてきた刺し子糸は自分が使いかけだった糸とほぼ同じだったので、使い掛けの方を使うことにしました。どちらも一般的な刺し子糸と言って差し支えないと思います。

 

布には刺し子の柄と2重の外枠が印刷されており、1番外の枠は最後にマルチカバーを仕上げる時に縫い上げます、とありましたが、80号も買う気は無いのと2色で刺したかったので、遠慮無く1番外の枠から刺し始めました。言われた通り角の3目前から、刺し子糸を針に通してえい……糸が通らない。もっかい頑張ります、えい……全然通らない。冊子には3〜10目一気に縫って糸を引き抜きましょう、とありますが絶対無理です。1目ずつでも通らないんですから!!!!!

 

マルチカバー用の布は大分薄布で、その分目が細かく出来ています。しかし刺し子糸は普通の手芸糸より大分太いです。針から抜けないように針穴で返してしまうと、針穴のところは太さが2倍になるので、全く抜けません。正確には、抜けますが、大分力が要ります。アシェット公式の動画では大分綺麗に引き抜いていますが、それでも大分力を掛けてるのが見て取れますね。ちなみに筆者は利き手の親指の爪の下で出血していました。どんな経験や。

www.youtube.com

おまけにこのマルチカバーのチャコがやたら取れやすいです。何なら縫うために布を曲げただけでぽろぽろ取れてきます。下の写真で図案の中にぽちぽちある白い点は、取れたチャコの粉です。公式も今後改善しますが取れやすいのでご注意ください……と書いていますが、ちょっとねえ。

本当は刺し子糸で完遂したかったのですが、外枠を25目分縫うのに40分くらいかかり、最終的に鼻持ちならなくなったので、いつもの手芸糸に切り換えてしまいました。手芸糸はちゃんと糸が抜けるので快適です。というか……刺し子糸通さない布はダメでしょう……*1

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マルチカバーの布なのですが……

というわけでアシェットの『はじめての刺し子』ですが、マガジンの内容はいいのに付録がまるでダメという評価になってしまいました。創刊号は300円だから許せるけれど、第2号から1号あたり1500円も出す気は正直ありません。

 

おしまい

まあ週刊マガジンなんてこんなもんだとは思っていましたが、マルチカバーの布のせいで想像以上にHPとMPを持って行かれました。刺し子に興味がある皆さんは、こういう入門編の本で図案をゲットして、布地を買ってきてちくちくやるのが良さそうですね。マガジンは初歩の初歩でもできるように優しい作りになっていたのでちょっと残念かなという気がしました。おしまい。

刺し子のかわいい花ふきん

刺し子のかわいい花ふきん

 

 

関連:アシェット / はじめての刺し子 / 刺し子 / クラフト

*1:本来刺し子に使う布は、もう少し目が粗くて柔らかい布です。というかマガジンにもそういう布にしましょうね、と書いてあります。何なら「キャンバス地やデニム地は丈夫ですが、織りが密で堅いため針が通りにくく、作業が大変になることもあります」と書いてあります。いやマルチカバーのこの布やんけ!!!!!

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