除夜の鐘が聞こえてくるまであと数時間。筆者が1年間楽しみにし続ける紅白歌合戦『ゆく年くる年』まで数時間である。
そんなことを言っていたらこんなツイートを見かけた。
わ、これすごいな。
— SYO_CINEMA(映画ライター) (@SyoCinema) December 31, 2018
「ブラックパンサー」「ビューティフル・ボーイ」「クワイエット・プレイス」など、40以上の作品の脚本を無料公開!
「Roma」「メリー・ポピンズ リターンズ」「スパイダーマン スパイダーバース 」も!https://t.co/wZnJNpjwqO pic.twitter.com/CTqaswE0is
リンク先は映画関連の情報サイト "The Playlist" である。このサイトに限らず、賞レースが本格化する年末から1〜2月にかけては、あちこちのサイトで有力映画の脚本やサウンドトラックが公開される時期だ。
脚本大放出祭り
先程のツイートのリンク先がこちら。
もうひとつチェックしてほしいのはここ。但しこれは去年の賞レースなのでご注意を。そのうち今年分が出るかもしれない。
さらにもうひとつ。このリンクのブックマークがおすすめ。☞Scripts | LA Screenwriter
ひとつ上のThe Film Stage.comより更新がまめな印象がある。さっきチェックしたら今年分もちゃんと用意されていた。
こうやって脚本が公開されるのは、賞レースの脚本賞・脚色賞に向けて、改めて脚本を読み込んでほしいという制作会社側の意図がある。こういったサイトで紹介されているのは違法アップロードサイトでも何でもなく、全て制作会社公式サイトへのリンクや、制作会社が自らアップロードしたクラウドへのリンクなのでご安心を。全部ダウンロードしたって私的使用の範囲なので、自分で読んで楽しむ分には何の問題も無い。再配布はダメですけどね!!!!!
また、こういった脚本紹介サイトには、「教育用に許可を取りました」と明示して公開しているところもある。脚本の公開は、賞レースへのキャンペーンという側面も、未来の映画制作者を育てるという側面もある。ハリウッドではこういう動きが一般的なようだが、是非日本でもやってほしいなと思った。
何より公開済の映画なんだから、マーク・ラファロとかトムホくんに喋られちゃってもそんなに害無いもんね……
theriver.jp - インフィニティウォーのネタバレかましてクビ寸前になったお話(ほんと)
www.cinematoday.jp - この記事でも言われてるけどマーク・ラファロはプレミアで携帯切り忘れて冒頭数分の音声だだ漏れ配信した過去がある
覚えておくべき "For Your Consideration"
制作会社が公開している脚本には、"For Your Consideration"という文字が書かれていることがある。これは「皆さんがご検討できますように」という意味で、賞レース向けの文言ではあるのだが、この単語で探してみると、制作会社が公式で作っている賞レース向けサイトが引っかかることがある。
筆者がブックマークしてあるのは、今をときめくフォックス・サーチライトのこのページ(リンクをクリックしてほしい)。
現在(2018/12/31)は "Can You Ever Forgive Me?"、『犬ヶ島』"Isle Of Dogs"、『女王陛下のお気に入り』"The Favourite"、"The Old Man & The Gun"が掲載されており、『女王陛下のお気に入り』以外の3作品ではサウンドトラックも全曲フルで試聴できる。去年は『シェイプ・オブ・ウォーター』で大変お世話になりました。
mice-cinemanami.hatenablog.com - デスプラのサウンドトラックはこの映画を名作にした一因だと思う*1このサイトでは試写日程がリアルタイム更新されるほか、賞レースのノミネート結果もどんどん追加されていく。サウンドトラックはどこかで音楽賞にノミネートされると公開されるようだ。(そして……公式からダウンロードして私的に楽しむのは著作権法の例外事項のはず……)
ディズニーも同様のサイトをオープンしている。☞Walt Disney Studios AMPAS FYC 2018
『ブラック・パンサー』の特設ページはここ。サントラも聴けるようだ。『メアリー・ポピンズ リターンズ』にも特設サイトがあった。
waltdisneystudiosawards.com - ちょっと重いので注意
探せば結構どこの制作会社でも見つかると思う。但し、飽くまで賞レース向けなので、ある時期を過ぎれば公開終了となってしまう。気になる作品があればすぐにチェックしてほしい。
ゆく年くる年
今年も残り10時間を切った。振り返れば沢山の良作映画に出会った1年だったなあと思う。そういった映画の賞レースの行方だって気になるし、来年どんな映画に出会えるのかもわくわくしているのが正直な感想だ。これだからシネフィル止めらんねえぜ!!!こんなブログですが来年もどうぞ宜しくお願い致します。
www2.nhk.or.jp - 1年に1度の楽しみ
www.nhk.or.jp - 年が明けたらこれを観ろ!(というか段々いい時間になってるよね?笑)
20190107追記)各社のFYCページまとめ記事
ゴールデングローブの結果を追っていたら、あちこちの賞レース用ページをまとめた記事があったのでシェア。こうやってまとまってると便利だね
関連:映画賞
*1:デスプラのサウンドトラックや脚本こそ公開されていないが、『シェイプ・オブ・ウォーター』の特設ページはまだ残っていた☞Fox Searchlight - The Shape of Water