ネタバレ厳禁特大映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』 のネタバレ記事第3弾である。前回はGotGオタクとして、ネビュラとクリプラについて語ってみた。元々この記事はガモーラの話を書く予定で書き始めたので、第3弾記事では『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』の2編に渡って描かれたガモーラの運命について触れたいと思う。例によってネタバレありなのでご容赦いただきたい(ネタバレ注意は出しているので……)。
mice-cinemanami.hatenablog.com
!!! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! !!!
※この記事には『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレを含みます※

——GotG2公式サイトより
大事なことなので2回言いました。
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※この記事には『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレを含みます※
IWから懸案だったガモーラの運命
※『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』の重大なネタバレを含みます※
今までの記事で繰り返してきたように、ガモーラは前作IWにて、サノスがソウル・ストーンを入手する対価として命を落としている。また物語ラストの流れは全世界のMCUファンを失意のどん底へ叩き落とすのに充分であった。それでもおちゃらけGotG組ファンの筆者は、「ガーディアンズは全員戻ってくるでしょ(笑)」と思いながらEGの公開を迎えたのである。何故ならGotGはIWの公開時点で第3作制作が決定していて、夏にはガン監督から脚本初稿の完成が明かされていたからだ(勿論、その後ガン監督の解雇劇、更にはすったもんだの末の復帰まであったが、その間も制作は飽くまで「保留」とか「延期」という状況だったので、さして心配はしていなかった)。
しかしながら公開されたEGの筋書きは、GotGファンを少し困惑させる展開だった。トニーによるフィンガースナップでサノス軍が消え去った後、(確かバナーからだったと思うが)、「どうしてもガモーラが生き返らない」ことが伝えられたのである。この話に困惑したファンの中には、ジェームズ・ガンのInstagramアカウントへDMを送り、「GotG3でガモーラを幸せにほしい」と突撃した者までいた。
ガン監督のインスタストーリー https://t.co/Eb4AHZMDhP
— ふぁじっこあなみ (@mice_fuz_anami) April 30, 2019
「まだDMが……」内容は「#GotG 3で○○○○○○○○○○」「○○○○○」「○○○○○」(15通以上 #アベンジャーズ https://t.co/E8jqLqAoNu
——インスタのストーリーなので消えてしまっていてもったいないけれど
では何故ガモーラはサノスと共に消え去ってしまったのか。その鍵はGotG第1作の筋書きにある。元々ガモーラはクィル(スター・ロード)がくすねたオーブを狙って派遣された暗殺者であり、彼女が仕えているクリー人のロナン(リー・ペイス)はサノスの思想へ共鳴した側である。そしてGotGが結成されるのは、オーブを巡って乱闘になったクィルとガモーラが投獄された刑務所の中でのこと。つまり、クィルの先回りをすべくネビュラが向かった「2014年」では、ガモーラはまだGotGの一員になっていないのである。それどころか、彼女は養父への憎悪を抱きながらも、サノスの配下という身分から抜け出せていない。そんな彼女がトニーの「指ぱっちん」で消えてしまったのは当然のことだったのである。
他のキャラクターの復活の種は蒔かれている
インフィニティ・ガントレットを巡る設定として今回明らかになったのは、「サノスがストーンを使って行ったことは、もう1度ストーンを集めないとちゃらにできない」ということであった。そして同時に明らかになったのは、インフィニティ・ストーンを6つ集めて「指ぱっちん」しても、ハルクに出来たのは「サノスの行ったことを無に帰す」だけということ。ストーンによって消滅した人々は戻ってきたが、それ以前にサノスによって殺された人々は戻ってこなかったのである。
この理論に従うと、IWの冒頭で無残にも殺されたロキ、そして同じシーンでサノスによる「ナレ死」していたザンダー星のノヴァ軍などは復活しないことになる(個人的にはグレン・クローズ演じるイラニ・ラエルの再登場を願っていたので残念だ)。そして、前作でソウル・ストーンの対価として落命したガモーラも復活は出来ないのだ。
エンドゲームのネタバレはありません。
— 3zh٩('ω')۶ (@mzmzOvo) April 27, 2019
インフィニティウォー直前迄のインフィニティストーンの所持者時系列です。
ザックリスカスカです。
ツリーにインフィニティウォーのサノス編回収載せてますので、確認したい方はそちらもどうぞ#アベンジャーズ #時系列 #AvengersEndGame pic.twitter.com/rqvjljLvx1
ところが今作では、ロキの復活へある種が蒔かれている。キャプテン・アメリカ、アイアンマン、アントマンの3人が向かった2012年のニューヨーク、すなわち『アベンジャーズ』('12)の世界で、ロキがひょんなことからコズミック・キューブ(テッセラクト)を入手し、どこかへと逃亡するのである。このシーンは制作が決まっているロキ単独のドラマシリーズへの布石ではないかと言われているが、果たして……
そう言えばEGで同じく落命したブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)も単独映画が決まっていたが、その舞台は2005〜2006年辺りとされているので、この辺の設定にはあまり影響が無いらしい。
以上を考えると、2020年に制作が予定されているGotG3の筋書きは、ソーを加えたアスガーディアンズの面々がガモーラを取り戻す旅になるというのが有力だろうか(ソー役のクリヘムは先日契約を更新し、GotG3へ出演すると噂されている)*1。マーベルのお約束を考えれば、GotG3の直前作のポストクレジットでガモーラの姿をちら見せするくらいはするかもしれない。
“And now. I know how Yondu felt." pic.twitter.com/YeSEcKfiFv
— Marvel Studios (@MarvelStudios) April 22, 2019
——【ネタバレ】GotG2、反抗期のグルート編 - バウティスタに「ガモーラはGotGの母親的存在」と言われるのも分かってしまう
安易な結末よりは余程良かった
ポスト『エンド・ゲーム』の世界、GotG推しとしては○○○○○○○が最も気になるところではあるが、本編見る限り○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○くらいなのであれが正解だと思う #アベンジャーズ https://t.co/YpcP0hQ6U1
— ふぁじっこあなみ (@mice_fuz_anami) April 30, 2019
この件に関する筆者の見解は、上記のツイートに全てまとまっている。簡単なことを読みたい人は上のふせったーをクリックしていただければいいし、折角なのでその後色々考えたことも含めて書き足してみたいと思う。
筆者としてはガモーラが行方不明のまま終わるあのエンドは正解だと思う。確かにGotGオタクとして、彼女が戻ってこなかったのは悲しいし、この先のMCUで戻ってきてくれると信じてやまない。それでも、5年前のガモーラが安易に戻ってくる展開よりは、今回の幕引きは余程良かったと思うのだ。
筆者が前の記事で指摘したように、5年前のガモーラに会って協力を願い出たネビュラは、戦いまでの短い時間を縫って彼女にスター・ロードの存在を伝えている。ふたりはそのままサノス軍と共に現代のアベンジャーズ本部近くへタイムトリップするが(その秘密はTHE RIVERさんで)、その先で実際のスター・ロードに出会ったガモーラは、思わず「えっ?わたしがこんなアホと?!」と思いっきり戸惑っているのである(個人的にはふたりの "idiot" という単語センスが好きだ)。
そして、そんなガモーラがこのままGotGとして活動して、MCUでここまで描かれてきたような強い絆を持てるとは思えない。ガーディアンズはよくも悪くも、互いにぶつかり合いながら絆を深めていったチームなのだ。それはGotG結成のきっかけとなった刑務所でのシーンでもよく分かるし、彼らはチームとして活動するようになってからだって言い争いの手を緩めない。マンティスのような不思議ちゃんならまだしも、どこか素直になれないでいたGotG無印以前のガモーラは、その輪の中に急に入れるような人物ではない。
そして、ガーディアンズのことも自分のことも全く知らない彼女が急に戻ってくることは、クィルにとっても望まない未来だと思う。GotG無印で「銀河の冒険野郎」(=Star Lord)どころか「銀河一のプレイボーイ」みたいな描かれ方をしていたクィルが、ガモーラを一途に愛するようになったのは、やはりチームとして共に歩んだ時間があってこそだ。だから、ネビュラに「さあお姉さん、こちらが貴女と相思相愛でしたスター・ロードさまですわよ」*2みたいな道筋を付けられても、EGでの再会シーンから急に一緒に行動し始めて、GotG2やIWのようなエモーショナルな関係になるとは思えない。ガモーラは養父への恨みをきちっと内に秘めた冷徹な殺人鬼だったし、クィルも地球で亡くした母への想いを持ちながらおちゃらけお気楽男として過ごしていた人物で、ふたりの境遇も正確も全く異なっている。伝えるのが誰であったとて、「さあ君たちは恋仲だったんだよここから先は自由にどうぞ」と言われて元に戻れる存在ではないのだ。
www.youtube.com - GotG無印ラストの名シーン(これ観て次作観ると大分エモい)
IWでのクィルは、ユニバースを守るためというガモーラの願いを聞き入れ、断腸の思いで彼女を「殺した」。ガモーラを演じるゾーイ・サルダナが言うように、「愛しているなら、(ピーターは)彼女の言うことはだいたいやる」のである。確かにブラスターから出たのはあぶくひとつだったが、引き金を引いたクィルの覚悟は並々ならぬものだった。そして同時に、彼はガモーラのいない未来を歩むことを決意しているのである(勿論不承不承ではあるが)。
ここからは完全に筆者の解釈ではあるが、そんなクィルだから、ガモーラが中途半端な状態で戻ってくることなんて望んでいないだろう。戻ってくるなら、サノスの養女で殺人鬼だった彼女ではなくて、数多の冒険を乗り越えて、クィル、ロケット、グルート、そしてドラックスにマンティス、更にネビュラと真の「家族」になった状態の彼女であってほしいはずだ。
実は当初IWのあのシーンは、クィルが引き金を引けなかったという筋書きになるはずだった。ところが脚本を読んだガン監督とプラットの意見で、クィルが引き金を引くあの展開へと変更されたのである。サルダナも先述のインタビューで同じようなことを言っているし、ああいう展開はGotG組全員が納得の結果だったのだろう。
すったもんだの末ではあったけれど、GotG3は監督に再びジェームズ・ガンを迎え、エンドゲーム後のフェーズ4を飾る作品として再出発する。ガモーラがどう戻ってくるかは、GotG3の筋書き上も、そしてMCUフェーズ4の行く末という点でも大きなポイントとなるはずだ。彼女の行方についてはこれからもMCUを追いつつチェックしていきたい。
190728追記) 【朗報】ガモーラの結末、描かれていた
本国アメリカでIWのディスクが販売されるのに合わせ、未公開シーンがひとつ公開された。既にTHE RIVERさんで記事となっているのでこちらをどうぞ。そのシーンとは、アイアンマンことトニー・スタークが最終決戦で落命した後の削除シーンである。登場人物が揃ってトニーの死を悼む中、彼らから離れていくように歩み去るのが……多くの人が行く末を気にしていたガモーラだったのだ。
削除シーンなので正史扱いに出来るかはよく分からないが、このシーンの筋書きは、「2014年のガモーラ」がトニーの指ぱっちんをくぐり抜け、サノス軍ながら生存したことを示している。ガモーラ消失ラインではなく、行方不明ラインで描かれていたことが分かってGotGファンの筆者としてはほっと一安心だ。THE RIVERさんの記事によると、コミコンでは既に「ガモーラの物語はGotG3で描かれる」ことが明言されていたとのこと。ガン監督がロケットを掘り下げると断言していたのでガモーラがどうなるのか心配していたが、GotG3はガモーラの帰還とロケットの行く末がテーマになる、ということらしい。
THE RIVERさんの記事をすっ飛ばして観たい人はこちら。ベネレンジ先生の所作がアジアンのそれでちょっとにんまりしてしまう。(ベネレンジ先生は「アメリカ人」としてネパールに行って修業してたから、「文化の盗用」にはあたらないと信じている……)
We have an EXCLUSIVE @Avengers deleted scene from #Endgame that gives fans a heroic must-see moment → https://t.co/Y0tiB90wX7 pic.twitter.com/QZDxovUCT2
— USA TODAY Life (@usatodaylife) July 26, 2019
まだまだ続くよ
というわけで今回はガモーラの運命について語ってみた。次回はおまけ編として、ここまでの記事でこぼれ落ちてきた王道キャラクターについて触れたいと思う。主にドクター・ストレンジ、ブラック・ウィドウ、そして小ネタについて!
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関連:アベンジャーズ/エンドゲーム / ルッソ兄弟 / ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー / スター・ロード / ピーター・クィル / ガモーラ / ドラックス / ロケット・ザ・ラクーン / グルート / ネビュラ / マンティス / クリス・プラット / ゾーイ・サルダナ / デイヴ・バウティスタ / ブラッドリー・クーパー / ヴィン・ディーゼル / カレン・ギラン / ポム・クレメンティーフ / ショーン・ガン / ジェームズ・ガン