ちいさなねずみが映画を語る

すきなものを好きなだけ、観たものを観ただけ—

医療ってサービス業なんですね(えんえん泣)

まー題名のままだし、サービス業だからクレーマーも意味分からん客もいるのは当たり前なのだが、繰り返されるとすり減るねという話。ついこないだまで夏の熱中症シーズンと感染症のピークが重なっていて、近隣の市町村でも搬送困難症例が多数発生していたとニュースで言われていた。実感としてもそんな気はする。母数が増える分、変な電話/相談の件数も増えるもので、いやはや……という症例もいくつかあった。わかんないからやってるんだな……とは思うが、重なり過ぎると優しくなれない。

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おやすみのお時間シリーズ

ここからはあるあるシリーズ。

今日からの熱なんですがかかりつけ医が[休診で/電話が繋がらない]ので、(中核病院に)電話してみました!」

かかりつけ医が「休診」の方がまだましで、それなら近くの別医院探して下さい、となるのだが、「電話が繋がらないので」「いつも予約でいっぱいなので」とかいうのはほんとひどい。地域の医院がお忙しいのは分かってるんだけどね。でもあなたのおうちの人が大きめの病院で診てもらえる理由にはならないよ。

これもまあ中核病院に直接電話掛けてくるならまだましな方で、ひどいと救急車呼んでたりする。#8000か#7119掛けて相談して!!!

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もっとひどいのがこれ。

「いつもの症状(=慢性疾患の症状)だと思うんだけど、今電話掛けたらかかりつけ医が昼休みだったから、そっちで診て下さい!」

いやいや経過知ってるかかりつけ医で診てもらってくれよ。ぽっと出の僕らが変な薬出す方が危ないよ。しかも慢性疾患なら昼休みの数時間くらい待てるでしょうよ……(喘息発作など除く)。

あと、「朝具合悪くなったんだけど、受診しようと思ったらこの時間でえ〜、普通の医院やってないんでえ〜、救急車呼びましたあ〜(※朝8時)」ってのもあった。ついさっきからの発熱咳嗽だろ? 1時間待て!!! (大抵地域の医院は9時始まり)

 

この時間なんで……シリーズ

上記に関連してよくあるのが「この時間なんで……」シリーズ。昼休みはよくある。困るのが16時45分とか時間内ぎりぎりにかけてきて、今から1時間かけて行きますんでみたいなケース。いやそれ僕らは残業や。

保育園から呼び出し食らったけど仕事の関係でお迎え今になって、で、今の時間やってるとこ無いんで、とか言われるケースもある。仕事フルタイムでできてよかったね。僕らは時間外労働だよ?

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今勤めてる病院は時間決めて予約なし外来もあるが、その時間から外れて電話掛けてきて、何で診てくれないの?!?!と言われることもある。お約束の時間はウェブサイトに書いてあるので……そうは言われましても……◯◯病院なら診てくれると思って!と食い下がられることもあるけど、ルールはルールでちゃんと書いてあるからね。

 

久々なので……シリーズ

あとこないだはこんなやつもあった。

「この子が熱出すの久しぶりなので、診て下さい!!!」

いや子どもじゃなくても、大人になっても熱出したりはするだろうよ……今まで運が良かっただけだよ。中学生とかでそれやられるとうーん……という気分になる。こういう電話掛けてくる場合は大抵ほんとに持病も既往歴も何もない子なので、まあ当然予備力はあるわけで、、、

 

持病があるんですけど……シリーズ

「この子持病があるんで感染症心配なんです!!!」(※当院初診)

まあその持病が何かにもよるのだが、喘息→呼吸器感染症ならまあまあ心配なところ(とはいえ入院必要ならかかりつけ医から中核病院へ紹介してもらうのが一般的な流れ、何故なら普段の診療はかかりつけ医しか知らないので)、えっそれ心配な持病ですか? みたいなのもある。

  • 片頭痛もちなんですけど、熱出て頭痛いって言ってて、手持ちのカロナールはまだ飲んでません」とか。(飲んでいいよ?)
  • 発達障害です、今日から熱出しました、ご飯は普通に食べられてます」とか。(ご飯普通に食べてるなら入院は要らないな……)

極端な例作ってみたけれど、このレベルの話はまあまあある。普段対症薬もらってよく使ってるのに、今日はまだ使ってませんお薬ください(いや持ってるじゃん)とか平気でいる。

 

まあそんな話聞いてええ……と言ってると結構まじものもあったりしてびびる。近医で感染症が分かってて、診察するのめんどいな……と思ってたら、がちものの低血糖意識障害とか。

 

ナチュラルに盛ってくるシリーズ

「具合悪くて水も飲めません。」→受診してみた→児大泣き、水ごくごく飲んでる

「具合悪くて水も飲めません。」→来てもらった→ジュース類 100mL/回でちょこちょこ飲みしてた→「あれ飲んでませんか?」「好きなジュースしか飲まないんです。」(飲めるじゃん……それでいいよ……具合悪いんだもの……)

診てもらいたいのはわかるけど嘘はダメだよ。正直に言ってくれた方がちゃんと診ます。流石にこれは極端だけど近いような話はまあまあある。心配しすぎてナチュラルに盛ってるシリーズもそれなりあるようには思うが。

土地勘無いので……シリーズ

これもたまーにある。コロナ禍が明けたことになって、旅行者が増えてからちょっと増えた気もする。

引っ越してきたばかりでどこの病院受診したらいいのか分からないので救急車呼びました。」

旅行先のホテルでこどもが具合悪くなったので救急車呼びました。」

救急車の不適切利用の第1位。ぐぐってください。分からないなら#8000か#7119でご相談ください(大事なので2度目)。救急隊は沢山お電話掛けてくれるけど、その手間は本来あなた方がすべき手間です。

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大きな病院だから診てくれるんでしょシリーズ

これはシンプルに大人でもある話だが……

救急医療には一次(地域のかかりつけ医)・二次(中核病院クラス)・三次(その診療科で県内最先端の治療をしている救急最大手病院)の三種類があり、患者はそのどれかに割り振られるようになっている。大きな病院にはそれなりの役割があるので、大きいから診てもらえる……ではない。ド軽症だと普通に断られる、何故ならもっと重症な人を診ているので。

 

大人だと直来して事務方を困らせる一方、こどもだと必ず大人のフィルターが入るからまだましなのかもしれない。

俺は医療関係者なんだぞアピールシリーズ

シンプルにこれが一番きらい。同業者としてめちゃめちゃ嫌悪する。

 

医業の前に人は全員平等なので、医療関係者だからといって特別扱いされる理由にはならない。お母さん医者なら専門用語使うか〜とか、看護師さんなら物わかりよいか、とかはあるが、せいぜいその程度。順番待ちを崩したり、特別扱いされる理由にはならない。自分から医療関係者ですとドヤ顔で言う人は特別扱いを望んでることも多い印象がある。

「この子の叔父が医師なので、こんなこと言ってます。」(え、外科医ですよね? 科が違いますよね?!)

「わたし(看護師/コメディカル)なんですけど、これ何とかならないんですか?」(治療に必要なのでごめんなさい)

「わたしの職場の先生がこれはおかしいって言ってます」(職場が医院でも、そこの院長先生は直接この人診てないので……)

「歯科医です。こんなこと有り得るんですか?」(有り得るから来てるのよ?! 僕らが虫歯見つけた時に、『虫歯有り得るんですか』って言っていいの?!)

いや医療関係者ならその辺分かるだろ〜と思ってしまうから余計にきらい。わかんないから言ってるのはわかる。でもわかるだろ〜と思う。いやわかんないから言ってるんだよな、と禅問答になる。自分がそういうことやらないから余計にわかんない。取り敢えず反面教師にしようとは思う。

 

おわり

まあサービス業なんだよな〜と割り切りつつも、たまーに疲れたな〜と思う。そういう仕事選んじゃったんだよな〜、でも向いてないな〜と思いつつやるぐらいが丁度よいのかもしれない。これからもぼちぼち頑張ります。

皆さんも救急車は適正利用してください。

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