※この記事はGotG3公開直後にかなりの割合を書き上げていたが、あともう少しを完成させる気力がなく年を越してしまったものである。奇しくも今年はGotGの公開から10年、一年の計は元旦にありということで、何とか完成させてシェアしておく。
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ジェームズ・ガンが心血を注いで完成させたGotG3、もとい映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』"Guardians of the Galaxy: Volume 3" ('23)を観てきた。降板騒動を経て、一時はシリーズ制作がどうなることやらと思わされたが、戻ってきた末のガンが完成させたのは、自分の分身と語るロケットを話の中心に据えた、ひどくパーソナルな物語だった。映画界の父的存在であるマイケル・ルーカー(ヨンドゥ役)の退場後、ガンはどのような物語を作るのだろうと思ったが、結果としてはそういう喪失感もキャラクターに含められていた。
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以下、シリーズはGotGと略する。
ネタバレないあらすじ
ピーター・クィル/スター・ロード(演:クリス・プラット)がガモーラ(演:ゾーイ・サルダナ)を失った喪失感に打ちひしがれる中、ロケット(声:ブラッドリー・クーパー)をはじめとしたガーディアンズのメンバーは、ヨンドゥ(演:マイケル・ルーカー)亡き後の部隊を引き取って共闘していた。ある日、突然本拠地ノーウェアに現れた金ぴかの男アダム・ウォーロック(演:ウィル・ポールター)により、ロケットが瀕死の重傷を負ってしまう。改造実験の技術を守るため、ロケットの治療技術はオルゴ・コープと呼ばれる実験施設に隠されており、仲間を救うために駆け出したガーディアンズたちは、ロケットの過去を知ることになるのだった……
- ネタバレないあらすじ
- ロケットはガンの分身
- はじかれものだって集まれば強いんだぞ
- ぼくはあらいぐまロケットちゃん
- 間違ってもやり直せばいいさ、ウォーロック
- GotGらしいコメディシーン
- "クィルは帰ってくる"が、他の人はそうとは限らない
- おしまい
!!! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! !!!
※この先にはGotGシリーズ各作品に触れるネタバレがあります※
ロケットはガンの分身
第3弾の制作に紆余曲折あった中で、ジェームズ・ガンは3部作を上手くまとめたと思う。第1弾で荒くれ共の大集合、第2弾で父子関係を描いた中で、第3作に据えられたのはアライグマに改造されたロケットの哀しい過去であった。ガンは以前から「ロケットの人生は自分のもの」と公言しており、今まで誰に対しても内面を隠してきたロケットの過去を描くということは、ガン自身の自分語りも含まれるということである。
思えばガーディアンズたちの過去は大抵が既出であったが(クィルはGotG1/2、ガモーラとネビュラはGotG1とアベンジャーズEG/IW、ドラックスはGotG1、マンティスはGotG2)、ロケットの過去については人体実験の結果この姿になったようなことのみが明かされていた。どう見てもアライグマ姿ながら、アライグマの「ア」の字が出るだけで怒り始めるので、結局何があったのかは分からずじまいだったのである。
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