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ウェンズデーは至高だしクリスティーナ・リッチも至高 - Netflix『ウェンズデー』を観た

鈴木亮平が振り切りまくっている『シティハンター』の話をしていたら*1、家人が勢いでNetflixに加入したので、久々にNetflix民になった*2。当の『シティハンター』は家人も観たそうなのでスキップされ、代わりに暇人としてひとりでずっと『ウェンズデー』"Wednesday"('22)を観ていた。チャールズ・アダムズ原作の『アダムス・ファミリー』をティム・バートンが手掛けてドラマ仕立てにした。

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アダムス・ファミリー』と言えば1991年・1993年に作られた映画2作があまりに有名である。この作品で虐待と拷問が大好きな一家の長女を演じたのが当時天才子役の名を欲しいままにしていたクリスティーナ・リッチ。『ウェンズデー』にもネヴァーモア学園の不思議ちゃん教師として登場している。つくづくリッチの演技でなければこんなにウェンズデーを好きにならなかったと思う。個性的なキャラクターだらけだが、筆者はやっぱりウェンズデーが1番好きだ。

 

ウェンズデーと言えばリッチのイメージがあまりに有名だが、ジェナ・オルテガはそれを見事に覆した。バートンの演出・脚本が見事なのもあるが、それ以上にオルテガの演技が上手い。無表情で悪事に手を染め、それでいて嫌いになれないウェンズデーの魅力をよく捉えている。逆に、元ウェンズデーことリッチの方も、にこにこだけれどウェンズデーに死ぬほど嫌われる女教師を演じていてそこもよい。

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リッチは『アダムス・ファミリー』『キャスパー』と話題作に立て続けに出演、天才子役として話題になったが、私生活では親との不仲などトラブルが多発し、その後のキャリアは一時低迷していた。今作での登場は、勿論過去の名作へのオマージュ配役でもあるが、役柄としても魅力あり、単なるオマージュ配役に留まらずにいるのがよい。

 

ネヴァーモア学園は「のけ者の学園」とされているが、社会から排除された者たちに狂った慈愛の目を向けるのはティム・バートンの過去作通りの展開である。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』も、『スウィーニー・トッド』も、はたまたアリスも、バートンはいつも社会ののけ者やクリーチャーたちを愛してきた。『アダムス・ファミリー』の世界観は、言われるまでもなくバートン作品との親和性が高い。

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『ウェンズデー』は配信でも大変好調で、既に第2期の制作も決定している。ウェンズデーは果たしてネヴァーモアにきちんと戻ってくるのか、そして散りばめられたままの様々な謎について、どんどん深めるところはあると思う。パグズリーやフランプおばあちゃんがもっと出ても良い。取り敢えず楽しみにしておく。河出書房新社からアダムスの手による原作も日本語で出ているのでこちらも合わせてどうぞ。

 

*1:役作りガチ俳優の名を欲しいままにしている鈴木亮平だが、予告を観る限り、まあ『変態仮面』やった人だしな、という不思議な感想になっている。GW後半戦で観る。

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*2:以前お試しで入会して『エイリアニスト』だけ観ていた。これもいい作品なのだが、あまりにダークミステリーであり、飛行機の中で観るには向いていない(?)。

 

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