ちいさなねずみが映画を語る

すきなものを好きなだけ、観たものを観ただけ—

これでドリフもふたりだけか

仲本工事が交通事故で亡くなった。重症頭部外傷で緊急手術をしたとあれば急性硬膜外血腫か急性硬膜下血腫のどちらかであって、どちらも大変予後が悪いので、正直ニュースの時点で「ああこれは……」と思っていた。人の生き様より死に様の方がよく分かる職業になってしまったのはちょっと辛いところである。

 

COVID-19の最中に最年少メンバーだった志村けんが亡くなったのも大分ショッキングではあったが、志村の死に際してこんなコメントを寄せていた仲本がその次というのも悲しいものだ。よもやあのメンバーの中で、1番長生きなのが肥満体のブーちゃんなんて……

仲本工事「ドリフも順番に逝く歳になったとは思ったけど、一番若い志村が⻑さんの次になるとは、、、。
非常に悔しいです。 」——IZAWA OFFICE -イザワオフィス-

 

仲本工事はドリフの歴史において、良くも悪くも「最も普通の人」だった。強権的なリーダー兼シナリオライターいかりや長介。強烈なキャラクターを互いに放ち続けた年少コンビ、加藤茶志村けん。いるだけで存在感の大きい(?)高木ブー。そして、「最も普通の人」のように見えて、実は細かい運動神経プレイをさらっとこなしている仲本工事。そう、造作なくさらりとこなしてしまうから、そこが仲本の良さでもあり、割を食った一面でもあったのだ。

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ドリフターズと言えばやっぱりいかりや母さんとこどもたちのコントだと思うけれど、個人的には、あのコントで軽やかなスタントを決めていた仲本が1番好きだった。いかりやが振り回すほうきを飛び越して見せたりだとか。すいかを持ってきたのにすてんとひっくり返ってしまうアクションだとか。元体操選手という運動神経を活かしているのに、それを決してひけらかさないところが好きだったように思う。

仲本の言う通り「ドリフも順番に逝く歳になった」のだが、あれだけ運動神経のよかった彼が不注意の事故死というのは何とも悲しいものがある。折角なので盟友ブーちゃんにはもうちょっと長生きしてもらいたいなと思う限りである。

 

関連:仲本工事 / ザ・ドリフターズ

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