ちいさなねずみが映画を語る

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終わらないでくれ、ボラプボーイズの旅路 - 映画『ボヘミアン・ラプソディ』

このカテゴリの記事をもう書けないのかなと思うと何だかさみしい(祝!長くなったので3分割します!!!!!)。というか演者自身もそう言っているので、ファンだけの話ではない。

第91回アカデミー賞が終了し、長い賞レースシーズンが終わりを迎えた。映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、公開前の絶不に絶え、技術系3部門制覇にラミ・マレックの主演男優賞という素晴らしい結果を残した。今回はそんなボラプボーイズ+ルーシー+クルー陣の旅の終わりを特集したい*1

gqjapan.jp - 素晴らしいインタビューだった……!彼のアイデンティティと仕事との関係にまで踏み込んでいてすてき

www.instagram.com - 素敵な写真!

 

 

mice-cinemanami.hatenablog.com - 前の記事

 

 ——何かレーベル公式さんに予めまとめられてた(笑)

 

ボラプボーイズ、揃ってレッドカーペットに登場!

先日のBAFTAでも揃って会場入りし、一緒に取材を受けていたボラプボーイズ3人組(リー、マッゼロ、ハーディ)。オスカーのレッドカーペットでは、ポール・プレンター役のアレン・リーチも交えて4人で現れた姿がキャッチされた。リーチはプレミア以外のプレスツアーにほとんど帯同しなかったので、何だか新鮮な気もするが、リーチを含めてもみんな仲良しなのがよく伝わってくる……!

Embed from Getty Images

 

www.youtube.com - 動画に付けられたタイトルは'"Bohemian Rhapsody" Cast "Doesn't Want This Experience To End"'(キャストは「この経験が終わることなんて望んでない」)、みんなその通り

そんなボーイズ、日本で独占生配信したWOWOWの放送では、こんなことを話していたとか……!

 

クイーンにとって日本が、そして日本にとってクイーンが特別であるよう、映画のキャストたちにとっても日本は特別な場所。マッゼロさんは日本での来日イベントの際に「この映画の撮影初日、”今作のプレスツアーで日本に行けたら、どんなに凄いだろう”と皆で話していたんです」(THE RIVERさんより引用)とまで話していたほどだった。だからこそ、スケジュール遅れで来日できなかったハーディと、そもそも日本に来る予定が組まれなかったリーチの表情はこんなで……

 

まあ、ベンハくんが無事に日本に来ていたらこの話は無いわけだけどさ……

mice-cinemanami.hatenablog.com

ところでリーチはInstagramにボラプボーイズ4ショットを公開。投稿に付けられたキャプションでは、「何て素晴らしい旅路だったんだ。このクルーたちと一緒の時間も本当に特別だったよ」と書かれていて、ああみんなが素敵な時間を過ごしたんだなあ……と思うばかりである。

www.instagram.com

"What an amazing journey this has been. And to be with this crew makes it extra special. #oscars @bohemianrhapsodymovie"

190407追記)フォトセッションの裏側

www.instagram.comエンターテインメント・ウィークリー誌の撮影に快く応じていたボーイズ4人。その裏側が公開されていたのでシェア。

 

祝! ラミ・マレック主演男優賞受賞

大方の予想通り主演男優賞が渡ったのはラミ・マレック。自らもエジプト系移民という背景を持ち(本人は自分のアイデンティティが「エジプト人」だと述べているほど)、物語的背景に共通するものがあったこと、また座長として映画を引っ張った功績(苦労?)も認められての受賞だろうと思う。

 

主演男優賞のプレゼンターを務めたのは、昨年『ウィンストン・チャーチル』"Darkest Hour"で主演男優賞を獲得したゲイリー・オールドマン、そして『アイ, トーニャ』"I, Tonya"で助演女優賞を獲得したアリソン・ジャニー*2。自分の名前がコールされた後、ルーシー・ボイントンと熱いキスを交わす様子は、今年の名場面のひとつにもなった(はずだ)。あまりに熱いキスを交わしすぎたせいか、壇上に向かう前に、ルーシーちゃんから顎の辺りを拭われるシーンも(笑)。

www.youtube.com

ラミ氏のスピーチについては、わたしが変な訳を流すよりよっぽどいいものがあちこち転がっているのでそちらを紹介したい。フレディも自身も、移民の子としてアイデンティティの問題に苦しんでいたこと、また自分を導いてくれたスタッフへの感謝に満ちたスピーチは、それだけでも賞賛に値するものだ。しかしながら、ルーシー・ボイントンという俳優が大好きで、彼女に手を引かれてこの映画を観に行った筆者としては、ラミがスピーチの末尾に述べた、「君はこの映画のハートで、ものすごく才能にあふれていて、僕のハートをつかんだよ」(シネマトゥデイ下記記事より引用)という言葉に涙しか無い。

www.cinematoday.jp 

theriver.jp - ルーシーちゃんへの讃辞にもう泣いてる(涙もろいのバレる)

 

筆者も過去の記事でこんなことを書いているけれど、マレックは単にフレディを模倣するだけでなく、その内面まで深掘りした上で自分のアイデンティティを重ね、その人柄に説得力を持たせたのだと思う。 彼が「出会った」(met)という単語を使うのは、そうやって彼の人生、人柄、私生活をなぞる中で、対話するような気持ちになっていたのではないかなと思った。そんな彼の役作りにかけた姿勢は、Wiredの記事で読むことができる。

フレディはやはり不動のボーカリストなので、ライヴ・パフォーマンスという点では絶対に勝ち目が無い。それでもマレックの演技は、フレディを上手くこの世に呼び戻したようなところがあった気がする

キャストこそ魅力! - 映画『ボヘミアン・ラプソディ』 - ちいさなねずみが映画を語る

wired.jp

ラミはオスカーの授賞スピーチで、「僕のこと[=配役]は『これ!』といった選択ではなかったかもしれないけれど、きっと丸く収まったと思いますよ」と述べていたが、今や彼がフレディ役を射止めたことについて、とやかく言う人は少なくなっているのではないかと思う。

 

いつまでも傾き続けるラミのボウタイ

ラミの受賞は素直に素晴らしい結果なのだが、実はそんな偉業の影で、こんな珍事が起こっていた。彼のボウタイは何故か少し曲がっており、あちこちで角度を直してもらう様子が激写されていたほど。近くに座っていた主演女優賞ノミニーのレディー・ガガに直してもらうなど、豪華な面々が彼のボウタイを気にしていたのだが、結局受賞して登壇した時には斜めになっているという有様……(笑)

 

そんなもんだからTwitterにはこんなセンスあるGIF画像まで投稿された。因みに筆者は失敗して傾いたままになっちゃいました。

 

そしてこんなファンアートも流れるほど……!TLで見た段階で素敵な絵だと思っていたのだが、クイーン日本レーベル公式さんも同じ絵に目を付けてシェア。フレディもきっとラミの偉業を見ていたに違いないと思っている。

 

因みに受賞後のラミ、壇上から滑り落ちて一時救急隊が駆けつける騒ぎとなったが、結局の所大事は無かったようで一安心である。

www.youtube.com

——この騒ぎの後何事も無かったかのようにガヴァナーズホールに現れましたとさ

 

紫のドレスが美しいルーシー・ボイントン

劇中メアリー・オースティンを演じたボイントンは、主演男優賞ノミニーとなったラミ・マレックと交際していることから、ステージ最前列にふたり揃って着席。彼女とスタイリストたちがこの日のために選んだのはオフショルダーになった紫のドレスで、メイクも髪のカールもごく控えめという、彼女の素の美しさを存分に発揮するものだった。

www.instagram.com

 

そう言えば彼女はボラプ関連の投稿によく王冠と紫色のハート(👑💜)を付けていたが(実例)、映画のポスターは黄色〜オレンジ〜紫のグラデーションがかかったもの、また紫をフィーチャーしたものという2種類が作られていた。きっと彼女のチームが賞レースの最後に紫を選んだのも、このビジュアルを意識したものだったに違いない。

 

そんなラミルシカップル、最前列というカメラに映りやすいポイントにいたので、授賞式中に談笑したり、受賞が決まって熱くキスする様子が何度も抜かれていた様子。ルーシーちゃんに手を引かれてこの映画を観に行った大ファンとしては、この映画で素晴らしい幸せを得てくれて本当に嬉しい……! いつまでも幸せでいてね! ふたりとも大好きだよ!

www.elle.com - そう言えばふたりがこのままロンドンでゴールインすれば、マッゼロさんがちょくちょくアフタヌーンティーを飲みに来て、「風が吹けば桶屋が儲かる」理論でボラプ続編が決まる……?(え)

先程ボーイズが旅路の終わりを悲しんでいたと書いたが、その思いはルーシーちゃんも同じだった様子。そんな悲しい気持ちをInstagramで露わにしていたので、ぜひご紹介したい。

 

www.instagram.com - 1枚目は彼女のスタイリストによるイメージ画!

"💫 Thank you thank you @rodarte and Laura and @leithclark for this magic dress of emerald violet dreaminess, I love you and I love it. Thank you @julieknailsnyc for the exquisite nail art and your ever calming presence (looking at you @missjobaker) Thank you @laurenjeworski for being Leith’s LA eyes and there for every step and stitch and spanx💁‍♀️. Thank you to ma face wizard @missjobaker and hair queen @jennychohair for this whole heavenly look and for teacups of champagne and for every single morning afternoon evening and night of this whole season. These humans are pure artists and two of my most favourite people so I cannot yell loud enough how lucky I know I am to work with them and wear their art. And @leithclark 💜 my eternal inspiration and romantic date, thank you for always grounding and untethering all at the same time💜 Can’t stop won’t stop screamin about Sunday. Never want the Bohemian journey to end. 💫"

(拙訳:「💫 ありがとうありがとう@rodarte[=ロダルテ、ドレスのブランド]とローラと@リース・クラーク[=彼女のスタイリスト]、エメラルド・ヴァイオレットの魔法のドレスで夢の様な体験をさせてくれて、みんな大好きだしドレスもとても素敵だった。@ジュリー・K[=ネイリスト]、とても素晴らしいネイルアートと他人を落ち着かせるあなたの態度にありがとう(@ジョー・ベイカー[=メイクアップアーティスト]の方を見てるね[=きっと2枚目の写真だろう]) @ローレン・ジュウォルスキ、リースのLAでの目になってくれてありがとう、足取り、ひと針、スパンコールの全てにもね💁‍♀️。メイクの魔術師@ジョー・ベイカーとヘア・クイーン@ジェニー・チョーにもありがとう、このどこからどこまで天国のような見た目と、何杯ものシャンパンと、この[賞レース]シーズンの全ての朝夕夜に。このふたりは純粋なアーティストで、わたしが本当に大好きな人たちの中のふたりだから、彼女たちと仕事ができて、ふたりの芸術を身にまとえることが如何に幸せか、表現しきれないくらい。それと@リース・クラーク💜、わたしの永遠のインスピレーションにしてロマンティックなデート、いつも確固とした土台を持ちながら、同時に全てを解き放ってくれる素晴らしさ💜 日曜日のことを叫ばずにはいられないし[そういう衝動を]止めたくもない。ボヘミアン[・ラプソディ]の旅路、終わってほしくなんかないな 💫」)

 わたしも終わってほしくなんかないよ〜! 素敵な時間をありがとう〜!

 

ラミ氏番外編

オスカー関係編

ラミの受賞に沸くファンや報道各社から様々な投稿がシェアされているのでかいつまんでご紹介。

 

これは受賞直後にファンアカウントで増幅された1枚。クレジット無しであちこち回っていたので元投稿がよく分からなくなってしまっているが、どうやら主演ドラマ『MR.ROBOT』のクルーが彼のために作ったケーキだそう……! 残念なことにこのドラマは製作中のシーズン4で幕を閉じることが決まっているが、こちらの作品でも素晴らしい仕事仲間に恵まれている証拠だと思う。

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オスカー当日、会場だけでなく前夜祭・アフターパーティでも仲睦まじい姿を見せていたラミルシカップル。当然のように多くの写真が撮影されて出回ったのだが、何とその後ろには……

『ザ・パシフィック』での共演以来10年以上の仲になるラミ氏とマッゼロさん。お兄ちゃん、そこの弟は大変さみしがり屋なので、たまには構ってあげてね……(笑)

 

ノリノリウキウキ編

 

オスカーから1週間ほど経った頃、ブライアン・メイ御大がこんな動画をシェアした。場所はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン、アイスホッケーの試合会場で、中継用の大ヴィジョンに映ったのは、ラミ……! (因みにこれは、ファンの間でぐるぐる回っていたものに博士が反応した感じだ)

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彼がこんなにうきうきだったのにはこんな理由が。何とこのヴィジョンで、映画『ボヘミアン・ラプソディ』から、"We Will Rock You"の作曲シーンが流されたのだった! そしてこの名曲が生まれ、ライヴ演奏するシーンの後、カメラは予め探し出していたラミの顔を大写しに……! この何とも粋な演出に、ラミ・マレック本人だけでなく、会場の人々も歓喜したのだった。

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We Will Rock You

We Will Rock You

  • クイーン
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

次回作

ラミの次回作『パピヨン』の日本版ポスターが公開となった。既に報道済だが、1974年公開の同名映画のリメイクであり、公開は2019年6月より。日本でももっともっと出演作が観られますように!

www.cinematoday.jp

 

関連:ボヘミアン・ラプソディ / アカデミー賞 / クイーン / ラミ・マレック / グウィリム・リー / ジョー・マッゼロ / ベン・ハーディ / ルーシー・ボイントン / アレン・リーチ / デクスター・フレッチャー / ブライアン・メイ / ロジャー・テイラー / ジョン・ディーコン / フレディ・マーキュリー

*1:因みに長くなりそうだったので、予めグウィリム・リー、ベンハとマッゼロさんの分は切り分けてある。後に別記事公開予定。

*2:因みに主演女優賞のプレゼンターは『スリー・ビルボード』コンビのフランシス・マクドーマンドサム・ロックウェルだった

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