ちいさなねずみが映画を語る

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30話をかけてやっと帰ってきた「お母さん」 - 『監察医 朝顔』シーズン2第17話

3月8日に放送された『監察医 朝顔(フジテレビ月9) の第17話を観ました。2011年3月に起きた東日本大震災から10年になるのを前に、ずっと行方不明だった母・里子(演:石田ひかり)が帰ってくる話です。これに重ねるようにメインは小児解剖で、母としての朝顔が問われる回でもありました(そう言えば放送日の3月8日は国際女性の日でした)。朝顔シリーズ前の記事はこちらの16話です。

mice-cinemanami.hatenablog.com

あらすじ

興雲大学に2件続けて乳児遺体の解剖依頼が入る。1件目の窒息事故児の母親はどこか虚ろで反応が薄く、2件目の脳内出血児の母親はオーバーな反応で遺体の写真を写真に収める様子。対照的な2人の母親に、興雲大学法医学教室のメンバーはどこか引っかかりを覚える。

 

朝顔が帰宅すると、青森県警から母・里子(演:石田ひかり)の遺骨が見つかったとの連絡が入っていた。父・平(演:時任三郎)と共に母を迎えに行く朝顔。途中仙ノ浦で療養中の祖父・浩之(演:柄本明)の元にも立ち寄り、久方ぶりに里子を囲んだ家族の時を迎えるのだった……

www.youtube.com - 予告編

 

 

!!! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! SPOILER ALERT! !!!
※この先には本編の結末に触れる記述があります※

 

 

乳児解剖編

予告編では母・里子との再会が前面に押し出されていましたが、メインは乳児解剖で、話の半分くらいを占めていました。母・里子を亡くして十数年、自分が母になった朝顔が向き合う症例、という位置付けで、よい演出だったと思います。母・里子が帰ってくるからこそ、朝顔の母としての自我を押し出す回にしたのでしょうね。放送日も丁度国際女性の日だったし。

 

続きはこちら☞☞☞ (物語の核心に触れています)

1件目:窒息事故編

興雲大学に2件続けて乳児症例が依頼されました。1件目はおもちゃで遊んでいて窒息した女児。その母親はどこか虚ろで、娘の死に対しても反応が薄い様子でした。朝顔たちは娘のショックを受け入れられない故だと見抜き、彼女のグリーフケアを行える場所へ引き継ぐことを決めたのでした。

子どもは何でも口に入れるもの

何とも痛ましい窒息事故ですが、今でも乳幼児死亡の中でそれなりの割合を占める「(法医学的に)重要な」死因です。厚労省が発表している死因統計を見ると、「不慮の事故」は0歳児で4位(124人、4.9%)、1〜4歳児で2位(148人、16.4%)、5〜9歳児で1位(138人、25.8%)と常に上位に入っています。消費者庁の「第1部 第2章 第1節 子どもの事故を社会全体で防ぐ」に書かれているように、「先天奇形,変形及び染色体異常」(0歳児と1〜4歳児の1位)などその他上位になっている死因と異なり、「不慮の事故」は大人の対策でゼロに出来る可能性があります。こういった死を無くすことも法医学の大きな責務だと考えています。なお、同じページによれば、窒息は「不慮の事故」の中でおよそ3割を占めるようです。玩具会社などの対策で絶対数は大分減ってきましたが、まだゼロではないし、「不慮の事故」を減らす上で介入が必要なもののひとつです。

 

ところでこういう事故を減らす上で、わたしたちは何に気を付ければよいのでしょうか? それには、子どもの口に入るもののサイズを知らなくてはなりません。窒息というのは気管に物が詰まって起こりますが、大抵は口から入った異物を誤嚥して……というものです。子どもの口の大きさはどのくらいあるのでしょうか……?

 

正解は「39mm」だそうです。mmで書かれると分かりにくいですが、この大きさは大体トイレットペーパーの芯くらい、と言われています。あの中にすとんと入る物は、子どもの口の中に入って事故を起こす危険性があります。保管の際には、子どもの手の届かないところに置きましょう。実際に物を入れてみて大きさが測れるチェッカーも市販されているようです。そう言えばレゴだって、月齢が小さい子向けのシリーズは、一般の物に比べてパーツが大きくできていますね。

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誤飲・誤嚥事故に対する対策をする上で大事なのは、「子どもは何でも口に入れるもの」という認識です。これは子どもも親も決して悪くありません。発達途中の乳児は、そういう風にできているのです。生まれたばかりの赤ちゃんは目も良く見えませんし、手や足で上手く物を掴むこともできません。しっかり物が見えるようになるには数ヶ月かかりますし、生まれたばかりの子に手や足で握ってもらえた!と言っても、それは残念なことにただの反射です(手掌・足底把握反射)。小っちゃい子が何でも口に入れるのは、もしかしたらその子が「外界を見る」ひとつの手段なのかもしれません。

 

最後の1文にはかなり私見が入っていますが、実は大人でも似たような傾向が知られています。Klüver-Bucy症候群(クリューバー・ビューシー症候群)とか口唇傾向と呼ばれ、前頭側頭型認知症; FTLDなどで見られます(難病情報センター脳科学事典)。この症候群は、元々アカゲザルの両側側頭葉を切除した実験で見つかったもので、何でも口に持って行き、口に入れては食べ物かどうか判別する、などの症状が出ます。この実験の面白いのは、サルは本能的にヘビを嫌うのですが、この実験で側頭葉を失ったアカゲザルは、そのヘビすら口に持って行ったというのです。恐怖心すら失って何でも口に持って行ってしまうというのは恐ろしくありませんか? 子どもが何でも口に持って行くのも、もしかしたら発達途中で視覚に関わる経路が未熟だから、なのかもしれません(☜この文は私見なので信用しないでください)。

 

毎年節分の豆まきの時期になると、小児科医がこぞって注意喚起を始めます。これは豆まきの豆が誤嚥を起こしやすい大きさだからです。消費者庁はこれに加えて、発達途中の子どもは噛む・飲み込む力が未熟であることも挙げ、小さい子どもにはナッツ類を与えないように、と注意喚起しています。誤嚥・誤飲事故を防ぐのは周りの大人の責務です。近くに小さなお子さんがいる方は、今一度身の回りを確認してみましょうね。

Tips!

  • 0歳児、1〜4歳児の死因の1位は「先天奇形,変形及び染色体異常」(「不慮の事故」が1位となるのは5〜9歳児)
  • 原始反射のひとつである手掌・足底把握反射は、手掌(3〜4ヶ月)→足底(9〜10ヶ月)の順で消失する
  • トイレットペーパーの芯(およそ4cmほどの円)に入るものなら、子どもが誤飲・誤嚥するリスクがある

 

グリーフケア、死の受容

1件目の解剖の母が無反応に見えたのは、娘の死を受容できていなかったためでした。自身も母を突然亡くしている朝顔は、娘を亡くしたばかりの母親にそっと寄り添います。法医にとって死は至極当たり前のことですが、一般の人々にしてみればむしろ珍しいもので、相手が近しい親族とあればその衝撃は大変大きなものです。今話に出て来た母親のように、すぐには受け入れられないことすら多いでしょう。単に解剖をして、死因究明をして……という姿を描くだけでなく、遺された人たちのグリーフケアにまで踏み込んでいるのはよいドラマの証拠です。

 

近しい人が死んだ時、多くの人が「何故死んだの」と考えることでしょう。でも、死因が分かったからといって、そういう人たちが納得するとは限りません。筆者はこの「何故」について、本当に知りたいのは "How"(=どうやって、つまり死因)の部分ではなくて、「どんな運命で」(=この人は何故死ななくてはいけない運命だったのだろう)という思いが強いのでは、と考えています。そういう人たちにこれこれこういう死因で、と説いても、心の中にある「何故」という気持ちを解くことはできません。遺された側の知りたい「何故」はまるで違うものだからです。

 

エリザベス・キューブラー=ロスという有名な学者がいます。彼女の書いた「死の受容」という5段階のプロセスは、死を告げられた人がそれを受け入れていくまでの過程として大変有名なものです。プロセスは「否認」に始まり、「怒り」、「取引」、「鬱 [抑鬱]」、「受容」に終わります(頭文字を取って「ロスのHITSUJI」という語呂合わせもあります)。本来余命宣告をされた人に関する話ですが、筆者は遺族の側でも同じようなプロセスがあるのではないかと思います。その人の死を受け入れるまで、一筋縄ではいかない複雑な心の動きがあるものなのです。

——そう言えばキューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』は最近新装版が出たんですね!

 

Tips!:キューブラー=ロスの死の受容

  • 「否認」H→「怒り」I→「取引」T→「鬱 [抑鬱]」U→「受容」JIの5段階
  • 語呂合わせ:ロスのHITUJI▽・ω・▽(上記)
  • キューブラー=ロスが1969年に発表した著書『死ぬ瞬間―死とその過程について』の中で説かれている

 

2件目:Shaken Baby Syndrome編

目次でのネタバレ防止的な意味で分かる人には分かる感じの書き方にしてしまいました。2件目の解剖は、「階段から転落した女の子」で、死因は「脳内出血」[sic]。1件目と違い両親は深く嘆き悲しみ、母親に至っては教室でワンワンと泣きながら、霊安室で解剖後の娘と会って、その写真をSNSに挙げる始末でした。警察も法医も違和感を抱いて調べてみると、やはり虐待の症例だった……というお話です。

 

"Shaken Baby Syndrome"、日本語では「揺さぶられっ子症候群」と言いますが、この中身は山倉係長が野毛山署で一生懸命説明していた通りです(何故山倉さんが説明しているのか意味は分からないのですが(笑))。そもそも脳は頭蓋骨に脳脊髄液; CSFが満たされたプールの中で、ぷかぷかと浮いているような存在です。大人の場合はプールと中身の大きさがほぼ同じくらいのぴったりした感じなのですが(パック詰めのお豆腐を想像してください)、発達途中の乳児では、大人に比べて余裕が多く、よりぷかぷかと浮いている状態です。ところでこのお豆腐(脳)には頭蓋骨の内側と脳の表面とを繋ぐ架橋静脈; bridging veinという血管が付いています。大人なら揺さぶられてもお豆腐とパックの隙間がとても狭いので大したことはありませんが、乳児の場合中身とパックの間の隙間が大きいので、この血管により多くの力がかかります。結果、架橋静脈が断裂して硬膜下出血やくも膜下出血を起こし、運が悪いと亡くなりうるのです。ドラマでは死因は脳内出血とされていましたが、Shaken Baby Syndromeなら、教科書的には硬膜下出血など脳表の出血がメインかなという気もします*1。また詳細は割愛しますが眼の出血も重要な所見として知られています。

(ちなみに、歳を取って脳が萎縮してきても同じようなことが起こる可能性があります。頭蓋骨の大きさは成長すれば変わらないので、脳萎縮すればその分プールの中ですかすかになるという寸法です。脳にはある程度可塑性があるので、高齢者の場合は慢性硬膜下血腫; CSHとして、受傷から暫くしてから見つかることも多いです。この場合、元々の原因は段差に躓いたなど本当に軽微な転倒などであることもままです)

 

亡くなった子は10ヶ月の女の子でしたが、普通こういう子が転落など高エネルギー外傷で死亡した場合、真っ先に疑われるのは虐待です。10ヶ月といえばハイハイや掴まり立ちくらいの時期で、自分で歩けるようになるのはもう少し先。しかも発達にはなかなか個人差が大きいので、出来ていなくても、出来ていてもおかしくはない、というのが正直なところです。調べる側は発達の様子も知りませんし、「もしかして虐待?」という気持ちが過ぎってしまうのは当然のことだと思います。(勿論、そうかと思ったら純粋に不慮の事故だった、ということもあるのですが)

 

母親の様子にも違和感を感じた教室員たちは、亡くなった子の胸腺の大きさを調べます。胸腺はかなり不思議な臓器で、胸腔の上の方にあって、細胞免疫を担うT細胞が成熟する場です。子どもの頃はとても大きくてレントゲン写真にも写るくらいな一方(Sail Sign; 縦隔上部で船の帆のように張り出す陰影が見えることがある)、大人になると機能を失って脂肪に置換された挙げ句萎縮してしまいます。更に、この胸腺は被虐待児で萎縮することが知られています。ドラマの中では「萎縮というには微妙だが、月齢が若い1件目の子より明らかに小さい」という結果で、虐待を疑うひとつの材料となったのでした。

www.nikkei.com

被虐待児と疑われる子どもを見た場合、「福祉事務所若しくは児童相談所」へ通告しなくてはならない、と定められています。通告義務は刑法上の守秘義務を上回るとされているので医師国試でも何度も聞かれていますが、実際のところ、この通告義務は全ての国民に課せられています。「189」(イチハヤク)という専用ダイヤルもあるので覚えておきましょう。

 第二十五条 要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。ただし、罪を犯した満十四歳以上の児童については、この限りでない。この場合においては、これを家庭裁判所に通告しなければならない。
② 刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前項の規定による通告をすることを妨げるものと解釈してはならない。

——「児童福祉法 | e-Gov法令検索」、2021年3月10日閲覧。

otonanswer.jp

 

Tips!

  • 「揺さぶられっ子症候群」"Shaken Baby Syndrome"では、過度の揺さぶりにより架橋静脈が破綻して、硬膜下出血・くも膜下出血、また網膜出血・硝子体出血が起こる
  • 被虐待児では胸腺が萎縮することが知られている
  • 児童虐待:通告先は福祉事務所・児童相談所で刑法上の守秘義務を上回る、義務は全国民に課せられている
  • 児童虐待:精神的虐待、身体的虐待、ネグレクト、性的虐待の4種に大別されこの順である
  • 児童虐待:虐待者としては実母、実父が1位・2位で合わせて全体の9割近くを占める(上記2つの出典:厚労省概況より)

 

震災10年に合わせて描く母の帰り

2011年3月11日に起きた東日本大震災から明日で10年です。(10年の日にばたばたしたくなかったので、前日の今日、記事を書いています)。朝顔の世界でも3月11日がひしひしと近付き、遂にずっと行方不明だった母・里子の遺骨が見つかりました。朝顔と父・平は遺骨が見つかった青森へと急行し、母の遺骨を受け取りに行きます。

 

制作スケジュールの変更で書き換えられた筋書き、10年目の「発見」

先週の記事でタイムパラドックスつぐみちゃんについて触れましたが、今週の話では年代がはっきりと分かるものは隠されていて、年代はぼやかされていました。正直何年だってどうでもいいのですが、第17話の放送直前に出たインタビューで、金城綾香プロデューサーが、第2シーズン後半のストーリーを大きく書き換えたことを明かしています。実は朝顔は元々去年の秋冬期ぶち抜きの予定でしたが、COVID-19による前のドラマの制作遅れを経て、1クール分制作・放送が後ろ倒しになったという事情がありました。放送が震災から10年の3月に差し掛かることになり、物語が大きく書き換えられたというのです。

news.mynavi.jp

ところで先週の記事ではもうひとつ、こんなに年が経って、新たな遺骨が急に見つかるなんてこと有り得ない、と書いていました。沿岸部で骨が見つかるとすわ震災の行方不明者か、という話になりますが、昆虫や犬猫など分解者がいると死後1週間程度でも白骨化してしまうことがあるらしく(南山堂『法医学』26-27頁)、よくよく調べてみると最近行方不明になった人だった、ということも少なくありません。逆に、調べてみたらとんでもない昔の遺体だったということもあったりしますし(2017年に亘理町で見つかった遺体は室町時代の女性でした)、「沿岸部の白骨遺体=3.11の行方不明者」という思考はあまりに短絡的です。

次週、遂に青森で里子の骨が見つかり、平と朝顔は青森まで急行する。でもこれも、いわゆる「東日本大震災の被災県」に住んでいる筆者にとっては、ドラマの世界のことなのだな、と白けた目で見てしまう出来事だ。実は被災3県の県警は、毎月震災の月命日(11日)に合わせて、各県の海岸線を捜索し続けている。初めの方こそ遺骨や遺留物がいくつも見つかっていたが、ここ数年は身元の特定に至る物の発見率が大きく下がっていて、空振りに終わることも度々だというのが繰り返し報道されているのである。

[中略]だが、こういうニュースを見ているからこそ、里子の骨が急にぽーんと見つかることなどそうは有り得ないということがひしひしと分かる。平と朝顔の中で止まっていた時が急に動き出すが、東日本大震災の行方不明者数は、ドラマの中ほど簡単には減らないのである。

——長い時を経て再び動き出す事件 - 『監察医 朝顔』シーズン2第16話 - ちいさなねずみが映画を語る

 

ところが、筆者がこんなことを書き散らした後、2月に野蒜で見つかった遺体が、東日本大震災で行方不明になっていた女性のものだったと判明したというニュースがありました。ほぼ全身が見つかって、当時着ていたと覚しき割烹着も一緒に見つかったとあります(産経)。今回のドラマのようにどこか一部の骨が見つかるに留まることも多いというのに、大変珍しいことだな、と思いました。そしてどうせドラマの中の話でしょう、と斬り捨ててしまって申し訳無いような気になったのです(但し、今回は場所も状態も良かったレアケースですし、実際東松島で行方不明者の遺体が見つかるのは8年半ぶりだそうですから、「そうは有り得ない」という点は間違っていないのですが)。

www.jiji.com

丁寧に描かれる里子の帰り

朝顔の記事で度々書いてきましたが、このドラマは朝顔先生の周りの人物造型がとても丁寧です。解剖と死因究明にばかり陽が当たりがちな作品とは違い、"職業が法医学者なだけ"のひとりの女性の暮らしを描いていて、そこがとても好きだったのです。そういうドラマだからこそ、母・里子の帰りも丁寧に描かれていました。県警の計らいで"家族3人だけ"になったところで、「会いたかった」と慟哭する時任三郎の姿が胸に迫ります。流石丁寧なドラマ。

 

青森で里子の遺骨を受け取った後、朝顔と平さんは神奈川に戻る途中で仙ノ浦に立ち寄り、祖父・浩之の前で骨壺を開けることにしました。何回か書いていますが、柄本明がこうやって死にそうな演技をしていると、妻・角替和枝の死だとか、COVID-19で亡くした演技上の盟友・志村けんだとか(ふたりと言えば芸者コントですよね)、そういう姿が過ぎって悲しい気持ちになってしまいます。大じいじは遂に来週亡くなってしまうし……

青森県警のシーンで、見つかった骨はみぎの第5基節骨1本だけ、と言われました。小さな骨壺に収められているのもこの骨1本だけです。望んだ形ではなかったけれど、やっと娘と再会できて慟哭する浩之。感動のシーンです……

 

Scheme human hand bones-ja
——LadyofHats, Public domain, via Wikimedia Commons

 

と言いたいところなのですが!

骨壺に入っている骨が、「こちらが基節骨ですよ基節骨。分かりますか? 解剖ちゃんと理解しましょうね」と言って出てくるような代物なのです。本来こういうシーンで突っ込みたくはないのですが、いかんせんいかんせん。朝顔には大臼歯事件という前科もあるから余計思うのかもしれません。いいシーンのはずなのに感情の振れ幅がぐわんぐわんになってしまいました。(☜筆者だけだと思います)。

 

全く関係無いのですが、東日本大震災当時のヘリ報道について、とてもいい記事が出ていました。何かと叩かれがちな報道ヘリですが、乗っている側にも苦悩があるという話が赤裸々に綴られています。ところでNHKの報道ヘリはANHが運営なんですね。ANAはヘリ会社から興したエアラインなので、何だかちょっと感じるものがあります。

note.com

投稿後追記

母・里子役を演じていた石田ひかりが、自身のInstagramで里子役としての投稿をしていました。とてもよい文章なので読んでみて下さいね。

 
 
 
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A post shared by 石田ひかり (@hikaringo0525)

www.instagram.com

おしまい

第17話は来週までTVerで見逃し配信中それより前の話はフジの公式配信サイト・FODプレミアムで視聴可能で、第1シーズンは既にボックス発売済です。

監察医 朝顔 DVD-BOX(メーカー特典なし)

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  • メディア: DVD
 

 

放送は残り2話で、来週はシーズン2序盤に強烈な登場をしながら、その後まるで出て来なかった片桐はいり(松本オリビア由美子役)がメインの回のよう。先週匂わされた一家殺人事件の犯人についても動きがあるようです。来週のストーリーを読むと光子ちゃんが認定医になったらしい! 光子おめでとう〜〜〜〜〜〜!

予告編では更に、朝顔の祖父・浩之が亡くなり、平さんの病状も更に進むという姿が映っていました。S2E15記事で平さんの病状が急進行し過ぎだと書きましたが、今話でも電話の内容を覚えていられないほど短期記憶を損なっていて、朝顔先生が心配なくらいです。

www.youtube.com

それでは筆者はこないだ放送された野村萬斎ポワロの『死との約束』でも観てきましょうか……

 

関連:監察医朝顔 / 上野樹里 / 志田未来 / 中尾明慶 / 板尾創路 / 平岩紙 / 山口智子 / 時任三郎 / 風間俊介 / ともさかりえ / 戸次重幸 / 三宅弘城 / 大谷亮平 / 法医学

*1:「頭蓋内出血」なら頭蓋骨の中の出血全てを言うので○ですが、それでも脳実質の外なのか中なのかはエラい違いなので書き分けはするはずです。「脳内出血」というと、普通は脳実質内出血のことを指します。但し今回の話は、揺さぶられっ子の後に階段から突き落とされた症例なので、脳内出血による脳ヘルニアが主死因になっていた可能性も高いです。階段から突き落とす前に死んでいたとは限りませんからね

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